『ユーチューバー』は、楽しく動画を作ってお金を稼げるということで、世界中の人々から憧れられる職業になっています。
ヒカキンさんやはじめしゃちょーさんなど、子供に人気のユーチューバーもたくさんいて、日本の子供達の「将来なりたい職業」でも上位に君臨するようになりました。
そうした中で増えているのが、子供のユーチューバー。YouTubeで活躍する子供達です。
中には様々な企業や芸人とコラボをしたりして、大人顔負けの収益をたたき出しているチャンネルもありますよね。
しかし、注目を浴びて活躍する子供ユーチューバーがいる一方で、色々な問題点を指摘されて炎上している子供ユーチューバーもいるのです。
そもそも、YouTubeは子供の利用を禁止すると、はっきりと利用規約に書かれています。
それなのに、たとえ親の承諾があったとしても、子供がユーチューバーとして活躍することに問題はないのでしょうか?
こちらの記事では、炎上した子供ユーチューバーから見える、子供をYouTubeに出演させるデメリットを紹介していきます。
目次
13歳未満のYouTubeの利用は禁止されている
まず最初に押さえておきたいのは、YouTubeは13歳未満の利用を禁止しているということです。
利用規約を読んでいれば分かりますが、閲覧にしても動画投稿にしても、YouTube側は13歳未満の利用を認めていません。
本サービスは13歳未満の子供による利用を意図していません。あなたが13歳未満の場合、YouTubeウェブサイトを利用しないで下さい。
また、13歳以上であっても、20歳未満の場合は親もしくは後見人の同意のもと、しっかりとルールを遵守出来る資格があるなら、利用しても良いとされています。
お客様が20歳以上の成人であること、又は法的に効力のある親若しくは後見人の同意を有すること、並びに本サービス条件に定める条項、条件、義務、確約、表明及び保証を締結し、本サービス条件に従い、これを遵守する完全な資格及び能力を有することを確認します。
つまり、13歳以下のYouTube利用は原則禁止。
13歳以上でも20歳未満であれば、親や後見人の同意がありルールを厳守出来る人しか利用出来ないとされています。
禁止されているのに子供がユーチューバーになっている理由
上記のように、子供のYouTubeの利用は禁止されていますが、現状、多くの子供達がYouTubeを普通に利用しています。
ただ、動画の閲覧については、何も知識がなくても簡単に試聴出来ますし、実際に子供向けの動画もたくさん用意されているため、親の管理の元で試聴させることは問題がないでしょう。
しかし動画の投稿ともなると、子供1人だけで何もかもこなせるわけもなく、親が中心となって、我が子をYouTubeに出演させて動画を投稿していると考えられます。
親はどうして我が子をユーチューバーにするの?
SNSで安易に拡散した画像や動画が消せないデジタルタトゥーとしてネット上に残り続け、それが就職活動に響いたり、新しい友人や恋人に知られて悲しい思いをすることの問題点が指摘されている中、親はどうして子供をYouTubeにわざわざ出演させるのでしょうか。
親が子供をユーチューバーにする理由には、下記のようなことが考えられます。
- 子供自身が自分からYouTubeに出たがっていた
- 子供に有名になって欲しい
- 引っ込み思案な性格の子供を変えたい
- 子供をユーチューバーにして広告収入を得たい
子供がユーチューバーになるのは危険すぎる
さまざまな理由で子供がユーチューバーになってしまったら、世界中にその姿や声や動作が拡散されることになります。
本名で活動している場合には、ほぼ全ての個人情報を晒すことになるでしょう。
たとえ匿名で、住所も隠していても、クラスメイトや近所の人がその動画を見れば、あっという間に個人情報が知れ渡ります。
もともとタレントとして活動している子供で、事務所のバックアップ体制があるなら良いですが、個人で活動している場合だと、動画を投稿した日からさまざまな危険に晒されることになるのです。
日本はルールを破った人に厳しくする傾向がある
最初からYouTubeが13歳未満の利用を禁止しているだけに、それを破って動画を投稿している子供に対しては、周囲から冷たい言葉や厳しい言葉をかけられる可能性もあります。
日本は規則やルールを破った人に対して、かなり厳しい考え方をする国民性があります。
ですから、13歳未満の子供がユーチューバーになってお金を稼いでいた場合、本人はもちろん親や兄弟まで非難の的になることも考えられます。
また、動画でのふるまいがきっかけとなって学校でのいじめに繋がることもあるかも知れません。
動画に広告をつけていることで、お金の為に家族でユーチューバーをしていると、周囲から偏見を持たれることも少なくないのです。
子供ユーチューバーが炎上することもよくある
最近では、不登校の10歳の男の子がユーチューバーになって投稿している動画が炎上していました。
「学校に行きたくないなら行かなくて良い」という内容を強い言葉で訴えかける動画ですが、義務教育を批判する内容に違和感を持つ人や、親が書いた台本を言わされているのではないかと、ユーチューバーになっている10歳の少年を心配する声も多くありました。
親の身勝手で子供を批判の的にしないで
ネットの世界では、自分とは違う意見、違う考え方に対して、きつい言葉を投げかける人が多いです。
リアルでは使わないようなひどい表現で、乱暴な言葉を発する人も少なくないですよね。
そんな罵詈雑言の世界に、子供を晒して良いのでしょうか?
どんなに良いことを発信しても、それに対して異を唱える人はいますし、中には元の言葉を全く理解せず見当はずれな批判を繰り返す人もいます。
でもそれがインターネットで、そこで何かを発信した以上は、どんな言葉でも受けて立つ覚悟が必要なのです。
しかし、子供には、特に13歳未満の幼い子供にはその覚悟ができませんし、だからこそ、YouTube側が利用を禁止しているのです。
子供をユーチューバーにするということは、それ自体すでに批判されやすい環境を作り出します。
そこで、炎上しそうな言葉を顔出し名前出しで発言すれば、注目は集まり広告料は増えるかもしれませんが、それに伴うリスクが13歳未満の子どもにとっては大きすぎるのです。
たとえネット上でも我が子にひどい言葉が投げかけられることを、平気になってはいけません。親として、子供を守る為の行動を考えてみるべきです。
子供をユーチューバーにする前に「子供をYouTubeから守れる親」になって欲しい
子供がユーチューバーとして活躍することに対しては賛否両論があります。
その様々な意見を知った上で、それでも我が子をユーチューバーにしたいなら、まずは親として全力で子供を守る決意が必要ではないでしょうか。
YouTube規約では、13歳未満でもYouTubeを利用したい子供は「両親に相談して」と書いています。
両親に相談すれば、きっと「やめておきなさい」と言って親としてきちんと諭してくれると考えているからです。
あなたが13歳未満の場合、YouTubeウェブサイトを利用しないで下さい。あなたに、より適しているサイトが他にも沢山あります。あなたにそのサイトが適しているか、ご両親に相談してください。
YouTubeの運営側がこのように子供にメッセージを送っていても、親が子供をネットトラブルから守ってくれなければ、何の意味もありません。
子供を様々なリスクから守れるのは、一番身近にいる親だけです。
子供にインターネット環境を与えているのは親自身ですから、やはり我が子のYouTubeの付き合い方について、しっかりと責任を持つべき立場であることは間違いないでしょう。
これを機に、子供のYouTube利用について考え直す機会を作ってみてはいかがでしょうか。
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