入園して間もなくまだ園生活に慣れていない時に、「子供が幼稚園バスで泣いてしまう」「毎朝バスに乗るのを嫌がるから大変」というのはよく聞く話です。
私の息子も入園当初、園バスが来ると泣いて嫌がりました。嫌がる息子を先生が抱いてバスに乗せてくれて、なんとか登園していました。
大泣きする我が子を乗せた幼稚園バスを見送る毎日…とても辛いですよね。
息子の場合は、そんな“登園拒否”が3か月ほど続いたのです。登園時に笑顔で子供と別れられないと、お母さんは後ろ髪引かれる想いです。
時には「どうしたら機嫌良く幼稚園バスに乗ってくれるのだろう…」と、深く悩んでしまう日も…。
仕事をしていても「うちの子、まだ泣いているのでは…」と心配になることもありますよね。
今回はそんなお子さんの「幼稚園バスで泣いてしまう問題」にお困りのお母さんが少しでも気持ちが楽になれるヒントを記事にしてみました。
私自身すごく悩んでいた時期があったからこそ気付けたこともいくつかあったので、今現在悩んでいるお母さんに参考にしていただけると嬉しいです。
幼稚園バスに乗るのを嫌がって泣いてしまう理由
まずは、なぜ幼稚園バスに乗る時に子供が泣いてしまうのか、理由についてまとめました。
幼稚園児はまだまだ自分の気持ちを上手に言葉に出して伝えられないので、こうした理由が考えられるということを知っていて下さいね。
幼稚園に行くことが不安
これまでずっと一緒に過ごしてきた母子が別れて過ごすこと、それはお母さんも心配ですが、それ以上に子供にとっては試練であり、不安なことです。
知らない先生、知らないお友達に囲まれて過ごす幼稚園の時間―。
「本当は安心出来るお家の中にお母さんと一緒にいたい」。そんな不安な感情を子どもたちは心の中に抱えています。
産まれてからずっと子供を見守ってきたお母さんなら分かるはず。
幼稚園に入園する歳になったとは言っても、まだまだ産まれてから数年しか経っていない小さな子供です。
幼稚園という新しい環境に戸惑ったり、慣れないスケジュールについていくだけで、毎日がいっぱいいっぱいなのです。
入園した当初は泣かない子もいます。幼稚園バス、先生、たくさんのお友達。ワクワクしながらすんなり幼稚園バスに乗っていって、お母さんも拍子抜け。
でも、「すぐに園生活に慣れた」と思ってお父さんお母さんが安心していたら、しばらく経ってから急に幼稚園バスを嫌がって親を困らせる子も少なくありません。
それは、最初はうながされるままに幼稚園バスに乗り込んでいた子供が、だんだんと「このバスに乗るとしばらくはお家に帰れない」という事が理解できるようになるからです。
子供はお家の中が一番安心出来ますし、お母さんの視線があることで心が安定するもの。
ですから、いきなり「幼稚園に行って楽しんできなさい」と言われたって、やはり慣れるまでに時間がかかるのは当然ですよね。
ただ、それでも幼稚園はたくさんのことを学べる、子供の成長にとっては大切な場所。子どもにとってもきっと楽しい場所であるはずです。
「幼稚園は安心して過ごせる場」「先生は頼もしくて優しい存在」だということを子供が理解するまで、少し時間がかかる事もよくあります。
いつまでも幼稚園バスに泣いてしまう子供を見ていると、時にはイライラする日もあるかも知れません。それでも、お母さんは子供の不安な気持ちを否定せず、全力で受け止めてあげましょう。
お母さんと離れるのがつらい
幼稚園で先生、お友達と過ごす時間は楽しいけど、単純に「お母さんと別れるその瞬間」が寂しくて泣いてしまう子供もいます。
そういった場合は幼稚園に着くころにはケロっとしていることが多いので、そこまで心配する必要はありません。時間とともに慣れてくるでしょうから、じきに泣かなくなります。
心配な時は、バスに乗ってからや、園に着いてからの様子を先生に聞いてみましょう。
案外「すぐ泣き止んでいるので心配ないですよ、お母さん。」と言ってもらえるかもしれません。
子どもはとても感受性豊かです。「お母さんとの別れ=さみしい」という気持ちを「お母さんとの別れ=楽しい幼稚園」という風に切り替えることができれば、きっと笑顔でバスに乗り込んでくれますよ。
幼稚園バスで泣くことがパターン化してしまうことも
私の息子の場合ですと、園ではけろっとしていて楽しそうに過ごしているものの、幼稚園バスに乗り込むときだけ涙が出てしまうのです。
この状態が1か月は続いたので、心配して本人に「どうして泣いてしまうの?何か嫌なことがあるの?」と聞くと「分からないけど、涙が出てくるの」と教えてくれました。
そのとき私は、決定的に嫌な事があるわけではないけど、心のどこかにある「寂しさ」、「甘え」を言葉ではうまく表現できず泣いてしまうのだろうなと思いました。
条件反射のようにバスが近づいてくると涙が出てくる息子を見ると、「幼稚園バスに乗る時に涙がでることがパターン化してしまったんだな」と感じたのです。
息子にとってはそれが『お別れの儀式』になっていて、そこまで悲しくなくても自然と涙が出てくる状態だったかも知れません。
でも、この涙も息子にとっては一つの「感情表現」。出てくる涙に任せて、気長に待とうと思いました。
最終的に完全に泣かずにバスに乗れるようになるまでは3か月ほどかかってしまったのですが、泣いていた時のことが嘘のように毎日笑顔でバスに乗り込むようになりました。
毎朝、子供に幼稚園バスに乗り込みながら泣かれると、親としては「大丈夫かな、何かつらいことが幼稚園の中であるかな…」と心配になるものです。
それが続くといてもたってもいられなくなりますが、うちの息子のようにお別れの儀式としてパターン化している場合も時にはありますので、その時の涙だけで心配を膨らませずに、園の先生方のお話や、帰ってきた後の子供の様子なども見ながら総合的に判断した方が良いですね。
幼稚園バスを怖がる子供もいる
これまで紹介したのとは少し違いますが、幼稚園に行くことやお母さんと離れることへの不安や寂しさとは少し違って、単純に「幼稚園バスに乗りたくない」「幼稚園バスが怖い」という子供も中にはいます。
例えば「一緒に乗っている年上のお兄ちゃんお姉ちゃんが怖い」や、「バスの揺れが怖い」など。
特に乗り物酔いしやすい子供だと、朝に幼稚園バスに乗ると気分が悪くなるから泣いてしまうけれど、その理由を言葉で説明出来なくて、周囲の大人が「なぜ泣いてるんだろう」と戸惑ってしまうこともあります。
年少のうちは、ただ泣くことでしか不快感を伝えられない子供がほとんどなので、普段、車や電車に乗った時の様子も観察しながら、そうした「乗り物に対しての不安」を持っていないか確認してみてください。
通常幼稚園バスは自家用車などのようにチャイルドシートは使用しませんので、自家用車に乗るときより揺れを感じやすく、怖がるお子さんもいるようです。
子供が幼稚園バスを嫌がる理由が分かりにくい時には、地域の市営バスなどに親子で乗ってみて反応を見てみるのもおすすめです。
その時に特に嫌がる様子がないなら、「このバスは嫌いじゃない?幼稚園のバスとどっちが好き?」などと質問してみて、何か嫌がるポイントがあるかどうかを確認してみるのも良いですね。
子供がはじめての幼稚園に慣れるまでは、親としても心配や不安の大きくなる時期です。
それはとても大変な時期かもしれませんが、その大変な経験さえも子供の成長を感じる材料になりますよ。
機嫌良く笑顔で幼稚園バスに乗ってくれることが理想ですが、毎日泣いてしまう時には、優しく見守りながら理由を見極めてあげてくださいね。