「子供の性格が悪くて疲れる…」「毎日ワガママに振り回されて悲しくなってしまう」
子育て中のパパやママからは、そのような子供の性格についての悩みを聞く事がよくあります。
いくら可愛い我が子でも、あまりに性格の悪い様子を見ていると「この子は大丈夫だろうか」と心配になりますし、周りの人の気持ちを考えず自分勝手な行動ばかりする我が子と一緒にいると、しだいに心が疲れてしまうものです。
中には、「親である自分のせいで子供の性格が悪くなってしまったのかも…」と、責任を感じて落ち込んでしまう親御さんも少なくありません。
そこで、こちらの記事では「子供の性格が悪い」と感じた時の対処法、そして、「性格が良い子」「優しい子」に育てる為の方法をまとめました。
目次
子供の性格が悪くて将来が心配になる
世の中には「この人、性格悪いなぁ〜」と感じるような人はたくさんいますが、我が子がそのような存在になるのは、親としてはつらいですよね。
できれば自分の子供は思いやりのある性格の良い子供に育って欲しいと、親なら誰しも思うのではないでしょうか。
しかし、そんな願いも虚しく、我が子が性格が悪いと感じる。これはかなり親にとって悲しい現実です。
なにしろ生まれた日から現在に至るまで自分が育てて来たわけですから、「性格が悪い=親の責任」と感じて自分を責めてしまう親御さんも多いようです。
「性格が悪い」と我が子に感じる瞬間は?
性格が悪いと言っても、その表れ方は人それぞれです。
特に子供だと幼児のイヤイヤ期や人見知り期、10代からの思春期なども影響するため、言動だけを見て「性格が悪い」と決めつけるべきではないでしょう。
そこでまずは、我が子に対して「性格悪い…」と感じるママやパパは、どんな時にそう思うのかをまとめてみましたのでご覧下さい。
- 学校や家の中で周囲に合わせず自分勝手な行動をする
- すぐ怒ったり泣いたりする
- みんなが笑っている時でも1人だけムスッとしている
- 誰かが褒められると嫉妬して機嫌が悪くなる
- 家族に嬉しい出来事があっても「でも◯◯だよね」という感じでケチをつける
- すぐに嫌味なことを言いたがる
- 先生や友達の悪口・陰口をよく言っている
- 「ありがとう」や「ごめんなさい」が素直に言えない
- 自分の好きな事しかしようとしない
- 自分の失敗を親や友達のせいにしようとする
- 学校でいじめの加害者になったことがある
- 親や兄弟や友達への乱暴な言動がある
我が子がこのような状態だと、親御さんは「子供の性格が悪い」と感じて悩みはじめる事が多いのです。
確かに、自分勝手な事ばかり言ったりしたりする子供を見ていると「この子は性格悪いな」と感じますし、一緒にいると疲れてしまいますよね。
ただ、上記にまとめたような子供の状態を一括りに「性格が悪い」という言葉で片付けるのは乱暴です。
というのは、子供の言動は大人と違って、成長段階によって大きく変化するからです。その上、環境や人間関係にもかなり影響を受けます。
ですから我が子の言葉や行動を見て「性格が…」と決めつけずに、「本当はどういう気持ちなのだろう?」と、少し踏み込んで推し量ってあげる事も大切なのです。
大人になって性格が変わる子供がほとんどである
ワガママで自分勝手で人の気持ちを思いやれないような子供を見ると、「この子は大人になったらどうなるのだろう」「人に迷惑ばかりかける大人になるのではないか」と心配になることもあります。
そして、その心配から、本人の為を思って親が注意をしたり叱りつける事もあるでしょう。
しかしその心配は、ほとんどの子供の場合は無用です。なぜなら、『子供の頃の性格のまま大人になっても変わらない人』というのは珍しく、むしろ大多数の人が子供の頃とは違った性格に変わってしまうからです。
例えば、「私は子供の頃は目立ちたがりやだったのに、大人になってからは人前では緊張して引っ込み思案の性格になってしまった」と感じている人は意外にたくさんいるものです。
他にも「自分は子供の頃ワガママばかりで親や先生にさんざん迷惑をかけた。今となってはどうしてあんなに面倒な子供だったのか自分でも分からない」という人もいます。
子供の性格について悩んでいるお父さんやお母さんも、自分が子供の頃を思い返してみてください。
穴があったら入りたいような恥ずかしい行動をしていたり、親を困らせて叱られてばかりいた記憶はありませんか?
子供時代と言うのは誰しも自分本位に思うままに生きているものです。
その様子を見て、一概に「子供の性格が悪い」と決めつけてしまうのは少し早すぎますし、「とはいえ優しい子供になって欲しい」という願いがあるのなら、このあとに紹介する対処法をぜひ試してみて下さい。
性格の悪さを放置してはいけない子供について
先ほども書いたように、子供の性格の悪さは成長とともに改善されていくもので、親としては叱らずに見守る事が大切です。(具体的な方法は後述します。)
ただ、その一方で、放っておくべきではない「性格の悪い子供」もいます。正しくは、性格が悪いのではなく「性格が悪いように見えてしまう子供」です。
とにかく手がかかる、一緒にいると疲れる、何をやらせてもうまくいかない。こうした特徴のある子供について、親は「性格に問題があるのではないか」と感じがちですが、その中には生まれつき脳の機能に問題がある発達障害の子供もいるのです。
実際に、産まれた時から手のかかる息子さんを育てながら「この子はなんて性格が悪いのだろう」と悩んでいたお母さんが、息子さんの小学校の担任から医療機関の受診を勧められ、検査を受けて見ると発達障害だった、という話を聞いた事があります。
そのお母さんは、弟の大切なおもちゃを次々に壊したり、大切な予定がある日に限って泣きわめいて1日を台無しにしたり、お友達や先生に対して「ブタ!」というような、身体的特徴をからかう言葉ばかり言ってしまう息子さんを見て、「本当に意地悪な性格の悪い子供だ。自分の育て方が間違っていた。どうすれば良かったのか…」と、ずっと思い悩んで生きてきたのです。
しかしそれは性格が悪かったのではなく、発達障害の特性によって起きた問題行動でした。
発達障害の特性は叱ったりお説教をしても良くはなりません。適切な療育を早い段階で受けさせる事が大切になります。
子供の性格が悪いと感じている親御さんの中には、こうした発達障害に気付いていないケースもあるかも知れません。
「もしかして」と気になる時には、かかりつけの小児科医や地域の保健センターなどに相談をすれば、検査できる医療機関を紹介してもらえます。
発達障害の子育てについては、こちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧下さい。
「発達障害児の育て方」5つのポイント|子供が発達障害と診断されたら取り組むべきこと子供の性格が悪いと思った時の対処法
ここからは、子供の言動を見ていて「性格が悪いな」「この子は大丈夫だろうか」と心配になった時の対処法を紹介します。
「自分は性格が良い」と思い込ませる
お父さんお母さんが我が子に「性格が悪いな」と感じている時、お子さんは確実に「親に性格が悪いと思われている」と感じています。
そしてそれが繰り返されると、本当に性格の悪い卑屈な行動をするようになるのです。
子供は親が思っている以上に感受性が豊かで、周囲から何かしらのレッテルを貼られてしまうと、本当に「自分はこうなのだ」と思い込んでしまいます。
ですから、子供に性格の良い子になってほしいなら、心の中はさておき言葉だけでも「性格が良いね」「優しいね」と褒めてあげましょう。
褒めるきっかけは、たとえば学校の飼育小屋でウサギを可愛がっていたり、たった1度であっても弟や妹の世話を手伝ってくれたり、お母さんが体調不良の時に「大丈夫?」と声を掛けてくれたり、どんな些細な事でも良いのです。
普段はすごく意地悪で手の焼ける子だとしても、もしもそういう優しい瞬間があった時は、ここぞとばかりに「やっぱりあなたは優しいね」「我が家で一番性格が良いと思うよ」と、褒めてあげて下さい。
子供に嘘だと思われても、周囲に親バカだと思われても、それでも大丈夫です。
褒めて暗示にかける事を繰り返すことで、だんだんと「自分は性格が良いんだ」と子供が思い込みます。
また、いつも人に迷惑をかけて叱られたり呆れられたりすることが多くなっている子供の場合は、「あなたは良い子よ」としっかり褒めてあげる事で劇的に自信を回復して、コロリと性格の良い子に変わってしまうことも少なくありません。
子供の性格の悪さはコンプレックスが原因
人に優しく出来ない、性格が悪いと思われるような言動を繰り返す。そういう子供は、何らかのコンプレックスを抱えている事がほとんどです。
周囲から見れば「こんなことで?」と思うような事が、本人にとってはコンプレックスの原因になっていることも。
誰でも自分に自信が無ければ人に優しく出来ませんし、心に余裕がなければついついワガママになってしまうのです。
ですから、子供の性格が悪いなと思ったら、まずは「何かコンプレックスがあるのではないか、悩みを抱えているのではないか」と考えてあげて下さい。
本人が打ち明けない限りコンプレックスを解消する事はできませんが、別の部分で自分に自信が持てるように、「前から思っていたけど絵が凄く上手ね」「いつもノートをきれいにまとめられているね」など、本人が自覚していないような良い部分をさがして褒めてあげると効果的です。
お子さんが女の子なら、「足のかたちがキレイ」「二重がくっきりして可愛い」など、外見に関する事を褒めるのも良いでしょう。
親と子供の性格が合わなくても良い
子供の性格について悩んでいる親御さんの相談を聞いていると、「自分の子供の頃はこうだったのに…」「自分ならこんなことしないのに…」という感じで、自分の性格との違いに戸惑っていることがよくあります。
しかし、子供の言動を自分の子供時代と重ね合わせ、「とても理解できない、うちの子は性格が悪い」と決めつけるのは間違いです。
いくら我が子でもクローンではありませんから、親とまったく逆の性格や特性を持っていて当然で、「自分とは違うから性格が悪い」という考え方をしてはいけないのです。
そして、親子だからといって波長が合わなくてはいけないというルールがあるわけでもないので、「自分は理解できないけど、この子はこういう個性なのだ」と、認めて受け止めてあげる事で、親子の間に信頼関係を築く事が出来ますよ。
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