幼い子供が親と一緒にお風呂に入るのは当然ですが、だんだんと心も身体も成長をしていく中で、いつかは親と一緒に入る事はやめて子供1人で入浴させなくてはいけません。
このタイミングを逃していつまでも親と一緒にお風呂に入り続けると、精神的な自立心が阻害されたり、性的な発達に支障がきたす可能性があります。
特に異性の親子で一緒に入浴している場合は要注意です。
ごく稀に、大人になった娘とお父さんや、大人になった息子とお母さんが一緒にお風呂に入ると言う家庭もありますが、子供の健全な成長を願うのであれば、そうした入浴行為はできるだけ早くあらためる必要があるのです。
こちらの記事では、子供と親が一緒にお風呂に入るのをやめるタイミングや、子供1人での入浴に移行する方法について詳しく解説していきます。
目次
異性の親子が一緒にお風呂に入るのをやめるべき理由
身体の大きくなった息子や娘が異性の親と一緒にお風呂に入るのは、賛否両論はありますが、基本的にはやめた方が良いことです。
その理由は、まず1つには「成長した子供と親が一緒にお風呂に入る必要は無いから」です。
子供が成長したら親が一緒に入浴する必要が無い
小さな子供であれば親が身体を洗ってあげなくてはいけませんし、湯船で溺れたりシャワーで火傷をしないようにそばで見守る必要があります。
しかし、ある程度成長した子供であれば自分で身体を洗う事が出来ます。また、湯の温度調節など教えた事はできるようになるでしょう。
もちろんまだ背丈も小さく力も弱いような年齢で1人は危ないですが、小学校3~4年生くらいになれば、ほとんどの子供が親に教えられた通りに入浴できるはずです。
子供が1人でお風呂に入って身体をきれいにすることに何も支障がないのに、親がわざわざ一緒に入る必要はありますか?
「お風呂の中でゆっくり話がしたい」という親子もいますが、異性の親子であれば、お風呂にこだわらず別の時間や場所を考えましょう。
同性の親子なら、時折一緒に湯船に浸かったりすることは問題ありませんが、毎日毎日一緒にお風呂に入ることは避けた方が良いです。
いつまでも親子で入浴していると子供の自立心を損なう場合も
小学生になると、大体3年生、4年生くらいからどの地域でも宿泊を伴う校外学習が催されます。
こうした行事に参加する事がきっかけになり、子供は身の回りの事を自分でできるようになったり、身体を洗ったり歯を磨いたり食事の準備が上手になったりするのです。
ですから、学校での宿泊活動を経験するまでに自宅では1人で入浴出来るようにしておかなくてはいけません。
小学校から行く宿泊施設はホテルや旅館のように設備が整っているわけではありませんから、はじめての場所で慣れない設備でもいつも通りに身体を洗う為には、普段から自分でお風呂に入る事に慣れさせる必要があるのです。
異性の親子が一緒に入浴すると『性的虐待』に繋がる可能性がある
ある調査サイトが「親から性的な虐待を受けた事がある人」の割合を調べたところ、なんと全体の3,9%が「親からの性的虐待の経験がある」と答えました。
また、内閣府の調査でも性的な虐待を受けている児童の割合は2,9%になっています。
家庭内の性的虐待は表に出にくく、被害を受けた子供が周囲に相談しにくいことから、実際はこの割合よりも遥かに多くの子供達が犠牲になっているのではないかとも言われています。
性的虐待の被害は『父親から娘』だけではなく、『母親から息子』への性的虐待も少なくありません。
こうした実態を見ると、異性の親子が一緒にお風呂に入る事の危険性が分かるのではないでしょうか。
日本以外の先進国では、成長した子供と異性の親が一緒に入浴する事は性的虐待・児童ポルノの疑いが持たれます。
実際に、ある先進国で暮らしていた日本人男性が娘と一緒に入浴していた事で逮捕をされた事例もあります。
他にも、海外旅行中に撮影した写真の中に子供の入浴中のものが入っていた事で、現地警察に事情聴取を受けた日本人男性もいます。
成長した子供と一緒に入浴したがる異性の親は異常?
日本では異性の親子が一緒に入浴していることを話しても、驚かれたり引かれる事はあっても、それ以上に警察沙汰になることはありません。
しかしそれは日本の国内に限ったことであり、他の国から見ると「異常な親」だと批判されるくらいに、親として適切ではない行為だといえます。
「自分たちはただ仲良く一緒にお風呂に入っているだけ」という異性の親子も多くいますが、お互いが本当に楽しんでいるかは分かりません。
特に子供の側からすれば、親に対して「一緒にお風呂に入りたくない」と言うのが怖かったり遠慮をして言えない可能性もあります。
親は子供と入浴するのは楽しいかも知れませんが、思春期近くになると、健康な子供であれば親に対して猜疑心が芽生えたり嫌悪感を持ったりします。それが当たり前なのです。
また、中学生くらいになれば「人に自分の肌を見られたくない、足や腕を見られるのが恥ずかしい。胸や陰部なんてたとえ家族にでも絶対に見られたくない」と言い出す子供がほとんどです。
それにも関わらず異性の親子で一緒に入浴をしているのであれば、それは子供が我慢をしているか、あるいは、子供の精神発達がうまくいっていない場合もあります。
異性の親子でお風呂に入る事をやめるタイミングの見極め方
異性の親子が一緒にお風呂を入るのをやめるタイミングは、子供が1人で入浴出来るようになった時です。
自分でシャワーの温度調節が出来て、身体や髪もひと通り洗えるようになったなら、速やかに1人の入浴に切り替えます。
子供が小学生になったら、親子で入浴しながら徐々に必要な事を教えていきましょう。
湯の温度調節や身体や髪の洗い方を教えるのは勿論、ジェットバス(ジャグジー)機能のある浴槽の場合は、1人での入浴の時には使用しないように言い聞かせます。
家庭用ジェットバスでは過去に子供の死亡事故が起きていますので、よく気を付けるようにしてください。
入浴が1人で出来るようになれば親は一緒に入りながらも手を出さずに見守るようにして、「もう子供1人でも大丈夫だな」と感じたら、1人での入浴を開始してください。
親が「大丈夫」と感じられるまでの期間には、子供の性格や特性によって差があります。
一通りのことを覚えるまでに時間がかかるお子さんもいますが、身体の成長が顕著に表れはじめる高学年頃までには1人で入浴出来るように指導してあげましょう。
異性の兄妹・姉弟は一緒に入浴させない
兄弟姉妹で一緒に入浴させる家庭も多いですが、本人が嫌がらないのなら一緒でも大丈夫です。ただ、異性の兄妹・姉弟の場合は異性の親子と同様になるべく早く別々の入浴に切り替えます。
たとえ血の繋がっている家族であっても、異性で一緒にお風呂に入る事は子供の精神発達上よくないということは充分に理解しておく必要があります。
子供のプライバシーを尊重する
子供を1人で入浴させる事は子供のプライバシーを守る意味でとても大切です。
家庭での密な関係の中でも、「隠しておきたい事」「知られたくない事」にはあえて立ち入らない。そうしたマナーは親子間であろうと守る必要があります。
子供が「裸を見られるのが恥ずかしい」と感じる事が健全な成長の中では必要不可欠。
そうした『恥ずかしい』という気持ちを芽生えさせるためにも、親が子供のプライバシーを充分に尊重してあげなくてはいけません。