それまでお家にいた子供が幼稚園に入ると、同年齢のお友達との触れ合いが急激に増えることになります。
慣れない園生活が始まり、戸惑いも少しある中で、ちょっと気にいらないことや不快なことがあるとお友達に手を出して叩いてしまう子供もいます。
きっかけは些細なことでも、まだ集団生活になれていない子供同士だと感情に素直に出てしまうため、言葉でうまく気持ちが伝わらない時に手を出すことが多くなるのです。
幼い子供同士の小さなケンカはある程度仕方ないことではあります。
しかし、強く叩いて相手の子を怪我させてしまったり、怖い思いをさせてしまう場合には、親としては見過ごせないものです。
我が子がお友達に手を出して叩いてしまうのをやめさせたい。そんな風に悩む親御さんも少なくありません。
こちらの記事では、お友達を叩いてしまう我が子に対してどうやって対処すれば、叩くのをやめさせられるのか、具体的な方法を解説していきます。
目次
「なぜお友達を叩いてしまうのか」子供の気持ちをしっかり聞く
何も理由が無いのに、いきなりお友達に手を出す子供は少ないです。
理由があるからといって手を出すのは絶対にダメですが、子供なりに、何かそういう行動に出てしまう理由があるはず。
「叩いちゃダメだ」と頭では分かっていても、戦いごっこの延長で本気になってしまって手を出してしまったり、自分にとって嫌なことを言われたり行動された時に言葉では上手く伝えられずに感情のまま叩いてしまったりするのです。
ですから、まずは子供の話しをきちんと最後まで聞いてあげることが大切です。
「こういう気持ちになったり、こういう行動をされたから叩いてしまったんだね」と、お父さんお母さんが子供の消化できない気持ちを一度受け入れてあげると、子供は落ち着いて自分の行動を振り返ることができます。
いきなり叱りつけるのはNG
頭ごなしに「叩いちゃダメでしょ!」だけでは、幼稚園児には伝わりません。
きちんと、なぜ叩くとダメなのか、叩かれた相手はどんな気持ちになるのか、大切なポイントを伝えなくてはいけません。
いきなり叱ると、子供は「ただ怒られてる」としか捉えてくれなくなるので、その後の改善に向かうことが難しくなってしまいます。
子供がお友達を叩くという、そういう行動になるまでにはいきさつがあり、理由があるはず。
まずはしっかり子供の話しを聞いてあげる事です。
叩いてしまった相手の子供と家族に謝罪する
子供がお友達を叩いてしまった事が発覚したら、子供の気持ちを確かめるのと並行して、相手の子供とご家族に謝罪をして下さい。
きちんと頭を下げ、してしまった事への謝罪と、これからこういう事が起きないように子供に話して理解させます。としっかり伝えることが大事です。
幼稚園の中で暴力を受けると、相手の子供やご家族はとても不安になります。そしてもちろん傷ついてもいます。
すでに幼稚園の園長や先生から謝罪を済ましていたとしても、やはり加害者側の親としては、「これからは気を付けます」という気持ちを伝える為にも謝罪は必要になります。
園で叩かれたことが原因で行きにくくなったり、そのまま退園してしまう子供もいますが、そうなると叩いた我が子が悪者扱いされてしまうかも知れません。
不測の事態に陥らない為にも、誠意を伝える為に謝罪はしておきましょう。
叩かれたらどう感じるか?教えることが大切
相手の子供への謝罪が済み、叩いた理由を聞くことが出来たら、次は二度とお友達に手を出さないように言い聞かせましょう。
ゆっくり時間をかけて、「幼稚園のお友達に叩かれたらどんな気持ちになるのか」を、しっかり教えることが重要です。
その時に子供の態度が悪くても、感情的になってはいけません。
もしも早口で怒鳴り散らすようなことがあると、子供は「なぜ叩くのがダメなのか」の本当の意味が伝わらずに、「パパやママは分かってくれない」と、気持ちを塞いでしまいます。
そうなると、余計に園でお友達を叩いたりきつい言葉を言ったり、態度が酷くなる場合もあるので、絶対に気持ちを高ぶらせずゆっくり落ち着いて教えてあげましょう。
お友達に手を出さないように言い聞かせる方法
まず「自分が叩かれたら体はどう感じる?」と聞きます。
「体を叩かれたらとっても痛いよね。凄く痛いよね」と、痛みがあることを言葉で教えます。
そして、「体が痛いだけじゃなくて、叩かれて、すごく悲しい気持ちになるよ」「仲良しのお友達に叩かれたら、とっても悲しくなるんだよ」と、相手の子供の気持ちをわかりやすい言葉で伝えます。
「◯◯君もあなたに叩かれたらもう怖くなって『遊びたくない!』ってなるかもしれないし、皆も叩かれるのが嫌だから、一緒に遊んでくれなくなっちゃうかもしれないよ」
と、幼稚園でお友達を叩くことでどんな影響があるのかも教えます。
「そうなったらあなただって寂しいよね。みんなと楽しく遊んだりお話ししたり出来なくなるかもしれないのは嫌でしょう?」と、お友達に手を出すと自分にも悪いことが起きるのだということを言い聞かせるのです。
ただただ「叩くのはダメ!」と叱りつけるのではなく、『なぜダメなのか』という理由を子供にもわかる言葉で説明することはとても大切です。
子供をけなしたり否定しないようにする
子供に言い聞かせる時には、性格をけなすような言葉や全てを否定するような言葉はかけないようにしましょう。
「なんでこんな事も分からないの!バカじゃないの!?」などと人格を否定することをしてしまうと、余計にママに対して本音で言えなくなって、外で手を出しやすくなります。
そうなると、ストレスを発散しやすい同年代の子へ当たり散らしてしまう可能性もあります。
ですから自分の子供を決して否定せずに、叩くことはどうしてダメなのか、叩かれた方はどう思うのかにポイントをおいて話しして下さい。
頻繁に叩いてしまうなら専門医に相談を
自分の子供が幼稚園で他の子供を叩いてしまった…と園から報告された瞬間は、本当にママも辛く、叩かれた子の気持ち、叩かれた子のママの辛さも考えると胸が締め付けられますよね。
園には「相手のお子さんと親御さんへはしっかりと謝罪し、しっかり自分の子へ話します」と伝えてください。
そして子供がおうちに帰ってきたら、きちんと子供と向き合い子供の気持ちを受け止め、「そういう場合はこうしたら良かったんだよ」と教えることが必要です。
お友達への乱暴な行為は、1度では直らない子ももちろんいます。
でも諦めずにきちんとママが受け止め、根気よく教え続けてください。
そうすれば段々と子供も自分の気持ちをコントロールできるようになり、叩かなくなってきます。
怒鳴りつけるのではなく、こういう時こそ冷静に受け止め、寄り添ってあげるようにしてください。
お父さんお母さんが匙を投げずに優しく丁寧に言い聞かせれば、いつかきっと子供にも理解できる日がきます。
手を出すことが何度もある時には幼稚園の先生やカウンセラー、小児科医とも連携しながら、子供が集団生活で周囲を困らせることのないように見守ってあげてくださいね。