子供が年中さん年長さんになると、「小学校入学」の現実味が増してきますよね。
いわゆる「ラン活」と呼ばれるランドセル購入も、年長の夏ごろには人気のものは売り切れて、多くの人が早々に準備を終えるようになります。
実は私も息子が年長になってから「ラン活」を始めた1人です。小学校入学の1年前からは、鼻息荒くリサーチを始めていました。
でも、準備しなければいけないのはランドセルだけじゃないんですよね。
入学した後の学校生活にいち早く慣れることができるかは、この“準備”にかかっています。その“準備”とは物ではなく、“勉強”です。
子供が入学を迎えるその日まで、我が子のために少しでもできることがあるのなら、やっておきたいのが親心ですよね。
小学生のお子さんを持つお母さんからリサーチした、「小学校入学までの勉強で子供が身に付けておいた方が良いこと」を紹介します。
目次
小学校入学までにしておく勉強とは?
小学校入学までに何を学ぶか。『勉強』とひとことで言っても、ひらがなや計算だけを指すのではありません。
まず、小学校入学準備で一番大切なこと、それは「自分のことは自分でする」習慣づけです。
幼稚園や保育園に登園する朝、着換えや持っていくものの準備、お母さんが全部やってあげていませんか?
忙しい朝ですからやってしまった方が早いのはもちろんなのですが、是非子どもに挑戦させてみましょう。
「園で練習させてもらっているから」「園ではできているから」と安心してしまいがちなのですが、大切なのは“お母さんがいる環境”でも“甘えずに自分でできるか”、という点です。
甘えさせてあげたい気持ちは分かりますが、時には自立を促す厳しさも必要です。
入学準備で「考える力」を養う
小学校に入ると自分で考えて行動する場面がぐんと増えます。
分からない事は自分から聞かなければ、幼稚園や保育園のように先生から機転を利かせて助けてくれることはほとんどありません。
小学校に入学してから子供をつまづかないためには、最低限、「自分のことは自分でできる」ようになることは非常に大切です。
そして、「自分が今何をすべきか気づいて行動にうつせる」ようになることで、先生の説明や指導が上手に理解出来ない場面でも、「今はこういう時間だからこうするんだな」と気付いたり、「よく分からなかったから先生やお友達に聞いてみよう」という感じで、立ち止まらずに次の行動を選び取ることができるのです。
どうすれば自分で考えて行動できる子供になる?
例えば、朝起きたらトイレを済ませて、顔を洗う。朝ごはんを食べたら次は歯磨きをする。など、親に言われなくても自分から「次の行動」を考えて動けるようになれば、学校でもうまくいきそうな気がしますよね。
そのためにまず心掛けたいのが、「〇〇しなさい」ではなく「次は何をするんだっけ~?」という声掛けです。
最初からやるべきことを言ってしまうのは、年中くらいまでにして、それ以降はなるべく自分で考えさせるようにするのです。
「お家に帰ってきたら一番にすることはなーんだ?」「お風呂に入る時は何を用意すればいいんだっけ?」などと、クイズのように質問してあげれば、子供は喜んで考えて行動してくれます。
まず、考える力がつかなければ自立はできませんから、家庭の中で意識して考えさせる習慣をつけてみてください。
ひらがなの読み書きは練習した方が良い
入学前の「ひらがなの習得」は必須ではありません(私立は受験があるので、合格のボーダーラインとして設定されているところがあるかもしれませんが)。
小学校に入ってからもひらがなの練習はありますから、入学前に絶対に身につけておかなくてはいけないわけではありません。
ただ、入学後の「ひらがなの練習」はあくまで「ひらがなを上手に書くための練習」です。
その為、ひらがなが全く書けない、読めない状態ですと、覚えるのに精一杯のところに「綺麗に書く」ことが求められるので、大きな負担になってしまいます。
入学して間もない時期は学校生活に慣れるだけで大変なのに、その上授業についていけないとなると辛いですよね。
また、その日の宿題や連絡事項を記入する「連絡帳」も子供自身が記入します。
私の息子は年中の頃にひらがなを覚えて書くようになったのですが、覚えたてのひらがなは当然、読みづらかったです。
これはどんな子でも最初からきれいに書ける分けないので当然ですが、もしも小学校入学までにひらがなを練習していなかったら、少し困ったことになるかも知れないですよね。
小学校から家に帰ってきて連絡帳を見せられて、子供の書いた連絡事項が読み取れないと、持ち物や行事の連絡がうまく伝わらない可能性もあります。
「これ、なんて書いてあるの?」と聞いた時、子供自身も分からない…ということ、1年生の間は意外によくあるものです。
子供の同級生のママ友にLINEをして「連絡帳の内容を教えて〜」と頼む親御さんも多いですが、できれば我が子が読みやすい字を連絡帳に書けるようになった方が絶対に良いはずです。
以上の理由から、ひらがなの読み書きは入学準備としては必須と思っておいても良いかもしれません。
幼児向けのひらがな練習ドリルは書店にたくさん置いてあります。遊びの中で覚えるのでもよいので、入学前に積極的に練習をさせておきましょう。
それが入学後、お子さんの小さな自信につながります。
国語力を身に付ける
「ひらがなの習得」も「国語」に含まれますが、さらに深い「国語力」も身に付けておきたいところです。
小学一年生の授業で一番多いのが「国語」の時間です。
一年生の全授業数の1/3が国語の授業です。なぜなら、どの教科を取り組むにあたってもまず問題を読む、ノートを書く、全て国語力が必要だからですね。
ということは、読み書きに苦手意識を持つと学校の授業全てが、より大変に感じてしまうということです。
記憶にありませんか?低学年の国語の時間、人前で音読しませんでしたか。音読の宿題、ありましたよね。そして“先生あのね”の「あのね帳」書きましたよね。
そう、1年生はひたすら音読をして、作文の宿題も頻繁にでるのです。
入学前から本格的に音読や作文を練習しなくても、普段の親子の遊びの中でその練習は十分できます。
例えば「絵本」ただ読んであげるだけでなく2,3歳の頃に読んでいたような簡単な絵本を子どもに読ませてみましょう。
全部読むのが難しい時は、「好きな場面をパパやママに読んで聞かせて」とお願いしてみるのも良いですね。
また、簡単なお手紙や文章を書く練習もしておくと、入学後の作文でつまづきにくくなりますよ。
「時間」の感覚を理解させる
「時計が読める」に越したことはないですが、たとえ読めなくても入学時点で「時計の基本概念」は理解させておきましょう。
学校生活では時間を基準に動くことがとても多いです。
教室に設置されている時計はもちろん、アナログ時計です。「休み時間は〇時〇分までです。長い針が〇のところになる前に帰ってきてください」と先生が言うことを理解できる必要があります。
「時計」というものは短い針と長い針、それに小さな秒針があること。右回りの方向で進むこと。最低限このくらいは理解させておきたいところです。
普段の生活の中で時計を意識して声掛けをしておきましょう。
合わせて日付、曜日、季節の感覚も理解できると良いですね。
お母さんが意識して「短い針と長い針が12のところにきたからお昼ご飯だね」「◯◯の好きなアニメは短い針が8にきたら始まるよ」などと言葉に出すようにしていれば、普段の会話の中で自然に時計の感覚を身に付けることができますよ。
1日1回必ず机に向かう習慣をつける
入学すると学校にいる間はもちろん、「勉強」をします。そして宿題も毎日出ます。
自宅でも学習が必要ということですね。
学校では嫌がらず授業を受けているのに、家に帰ってきてからの宿題がなかなか進まず苦労するお母さんはとても多いようです。
これは子供の心の中で「家の中で勉強する」という習慣が身に付いていない為です。
大人でも新しい習慣には違和感を持ちますし、明日から1日30分本を読みなさいと決められても守れる人は少ないと思います。
それくらい、誰でも新しいルールに身体を慣らすのは大変なのです。
ですから今のうちから1日5分で良いので机に向かって、鉛筆を持って文字や絵を描いたり、本や図鑑などを開いてみましょう。
最初はお母さんと一緒に、親子のコミュニケーションの時間として机に向かうことを習慣づけるのです。
一定の時間机に向かうことを習慣づけておけば、入学後の自宅学習もスムーズに取り組めますよ。
子供のペースに合わせて入学準備を始めよう
さて、ここまで読んで「あれ、うちの子、小学校の入学準備が全然できていない!」と不安になった方もいらっしゃるかもしれません。
でも安心してください。ここにあげたことがすべてできなくてもこれから少しずつ一緒に取り組んでいけば良いのです。
入学までに一つでも二つでもできることが増えれば、それが子どもにとって大きな喜びと自信につながります。
お母さんが肩肘を張りすぎると子供は不安になってしまいますから、あくまでも普段の生活の中で自然に身に付くように働きかけてあげてくださいね。