私は30代のサラリーマンで、2年前に二世帯住宅を建てました。
私達家族はもともと団地住まいで、持ち家にこだわりはありませんでしたが、私が長男ということで父親から「家を建てたらどうだ」と持ちかけられたのです。
「もし二世帯住宅を建てるなら、住宅ローンは助けてあげられるよ」と父は言いました。
当初は、親と一緒に住宅ローンを組めば自分の払う分は少なくなりますし、そのうち親はいなくなるということで、言い方は悪いですが「美味しい話」のような気がしました。
しかし実際に二世帯住宅を建ててみると、後悔する事が多かったのです。
二世帯住宅の住宅ローン
親と一緒に住む二世帯住宅の住宅ローンは、リレーローンかペアローンで組むことが多いようです。
リレーローンは最初に親世帯が住宅ローンを払い、そのあと子ども世帯が受け継ぐ形でローンを払います。
ペアローンは、親世帯も子世帯も同時に住宅ローンを支払います。
私達は親と相談した結果、ペアローンにすることにしました。
親はすでに定年が近く、いつまで安定収入が得られるか分からないということで、最初から一緒に払った方が良いような気がしたからです。
同時に払う事で月々の返済額も25万円まで大丈夫という事で、今思えば大きな金額の住宅ローンを組んでしまったなという気がします。
急に親がローンを払えなくなり…
ペアローンを支払いはじめて1年半が経った頃、父親から住宅ローンの返済が厳しいと言われました。
そもそも親世帯は以前は月7万円の家賃のハイツに住んでいたため、その時より2万円ほど高い住宅ローンの返済が苦しかったようです。
母親は、「二世帯住宅のローンはそちらが払うものだと思っていた」と今更になって言います。
こちらとすれば向こうから持ちかけられた話ですから「ペアローンは当然だ」と思っていましたが、親世帯にすると、最初から「自分たちのお金で建てる」という感覚はなかったのかも知れません。
「あなた達の方が何倍も長く住むんだから」と言われると、私は何も言えなくなりました。
妻は「そんなこと言ったって、うちも今の返済額でギリギリだし、これ以上は絶対に無理でしょ?」と言います。
下の子が産まれたばかりで休職中の妻は、最初から二世帯住宅に乗り気ではなく、一緒に住みはじめてからはイライラする事が多かったです。
そんな妻に追い打ちをかける言葉を、母が言い放ちました。
「◯◯さん働きに出ても大丈夫よ。孫の世話は任せてね!これからは共働きが普通でしょ?」
母は昔から専業主婦で、それだけに、外で働くことの大変さが分かっていないような所がある人です。
私は「まずい」と思ったものの、妻が働かないと二世帯住宅のローンは絶対に払えないので何も言えませんでした。
親世帯の返済額を負担する事に
話し合いの末、親世帯が払っていた月9万円の返済額から4万円を私達が負担する事になり、自分たちの返済額に上乗せして支払う事になりました。
親世帯は賃貸の時よりも月の住居費が減って満足していると思います。
妻は私の両親の考えに納得はしていませんが、ずっと家にいて母と顔を合わせるのもつらいと思ったらしく、すぐに仕事復帰を決めました。
妻が働くことで経済的にはうまくいくことになりましたが、妻と母はギクシャクしているし、私自身、両親への不信感が芽生えてしまいました。
こんなことなら二世帯住宅なんて建てなければ良かったと心から後悔しているものの、私が70歳になるまで住宅ローンは終わりません。
これから二世帯を建てようと思っている方は本当に慎重に考えて、特にお金のことはよく話し合ってから決めた方が良いと思います。