小さい頃は何でも話してくれていた子どもも、学年が上がるごとに、なかなか親に本音を言わなくなります。
楽しそうにしている時は良いのだけれど、なんだか元気が無いように感じる時には
「何を考えてるんだろう?」「何か悩んでいるのかも」
と心配になることもあるのではないでしょうか。
子供が悩んでる時、どうやって声をかければ良いのか、何をしてあげれば良いのか、分からなくて困ってしまうという親御さんも多いです。
そこで、こちらの記事では子供が悩んでいる時に気持ちを軽くするための、親がするべき7つの行動をご紹介します。
今すぐ実践できるものばかりですから、ぜひ参考にしてみて下さいね。
目次
悩んでいる子どもにやってあげるべきこと
食欲が無い、口数が少ない、学校に行きたがらない…
子どもが悩んでいる時のサインは、時と場合によりさまざまですが、いつもそばにいるお父さんお母さんなら、少しの変化で「どうしたのかな?」と気付いてあげることができると思います。
ただ、何かおかしいと感じても、すぐに「どうしたの?学校で何かあったんじゃないの?」と直接聞くのは逆効果です。
まずは注意深く生活態度を見守って、子どもが自分から悩みを打ち明けられる雰囲気作りをすることが大切。
ということで、まずやるべきことは「ストレスを軽減できる雰囲気作り」になります。
1.家の中ではなるべくストレスを感じさせないようにする
子どもが悩んでいると感じたら、親も同じように気持ちが重くなり、どうしても過剰反応をしてしまいがち。
でも、子どもが何も言わないうちにあれこれ気を回すと、子どもの心に余裕が無くなってしまいます。
子どもを見ていて「何か落ち込むことがあったのかも」「悩んでいるのかも」と感じたら、今すぐ解決しようと焦らず、普段通りに接しましょう。
ただ、いつも塾や習い事で忙しくしているようなお子さんの場合は、「今日は疲れてるみたいだからお休みしようか?」などと、普段よりも負荷を軽くしてあげることが必要です。
毎日お手伝いをしている時には、「今日は時間があるからママがやっておくね」と言ってあげるのも良いでしょう。
この時に気を付けたいのは、「悩み」という言葉は使わずに「疲れ」と表現することです。
親として「あなたの変化は気付いているよ」とメッセージを送りながらも、悩みには直接触れないことで、子どもの気持ちはラクになります。
2.どんな話でもしっかり聞いてあげる
悩みに関係のないことでも、どんなことでも、子どもが話しかけてきたらしっかり聞いてあげましょう。
仕事や家事に忙しく、なかなか時間の余裕が無い親御さんも多いですが、「子どもが少し落ち込み気味だな」と感じる時には特に意識して会話するようにしてください。
子どもは些細なことを一生懸命話そうとするので時間が取られますが、こうした何気ない会話の積み重ねが信頼関係の構築に繋がります。
悩みを抱えた子どもは「寂しい」という感情を持っていることがよくあります。
普段は反抗期の子どもでも、行動とは裏腹に「かまって欲しい」と思っていることもよくありますから、ちょっとでも何か話したそうにしていたら、すぐに聞く体勢になってあげることが大切です。
3.しばらく見守って改善しない時は声をかける
子どもはある程度大きくなると、自分自身で問題を解決する能力が身に付くようになります。
悩みの原因が何であれ、「こうすれば良いだろう」という答えに時間をかけてたどり着くはず。
ですから、親が何かと口出しするよりは、静かに見守ってあげて「本人が問題を解決できる」と信じてあげて下さい。
ただ、いつまでたっても落ち込んだようすだったり、食欲が落ちたり睡眠がとれないような状態である時は、すぐに見守るのをやめて、次の段階へ移行する必要があります。
子どもの悩みの深刻度を見極めるポイントをまとめました。
- 睡眠がとれていない
- 外に出掛けるのを嫌がる
- 学校や塾、習い事への行き渋りがある
- 普段に比べて食欲が無い、あるいは食欲がかなり強い
- 急に家族にベタベタしたり甘えるようになった
- 身の回りのことに無頓着になった
- スマホやゲームへの依存度が急に高くなった
- こちらが話しかけると嫌そうにしたり無視をする
4.「親は味方だ」と伝える
悩んでいる期間が長くなったり、身体に不調などが出てきた時は、こちらから話をする時間を作ります。
「ずっと元気が無いなって気になってたんだけど、何か心配なこととかある?」
そう聞いてみて、「何も無い」という返事だったら、しつこく聞かずに下記のように言葉をかけて切り上げます。
「何も無いなら良いんだけど、もしなにか悩んでいるなら何でも話してね。お父さんとお母さんは何があっても◯◯の味方だから、絶対に守ってあげるから、いつでも言ってくるんだよ」
子どもに対して「親は味方だ」ということは、明確に伝えるようにして下さい。
そんなことは分かっているだろうと思っていても、悩んで不安な時にはネガティブ思考になってしまうものです。
「味方だよ」とはっきり言ってあげることで、「自分は1人じゃない」と実感して前向きな気持ちになり、前向きになれば「不安を取り除きたい」という意欲が湧きますから、悩みを打ち明けやすくなります。
5.悩みにはひたすら共感する
子どもが悩みを打ち明けてくれたら、どんな内容でも共感をして聞いてあげて下さい。
まずは子どもの気持ちをじっくりと聞き、合間に共感フレーズを挟むようにします。
子どもに言ってあげたい共感フレーズ
- 「◯◯の気持ち、よく分かるよ」
- 「それは本当につらかったね」
- 「すごく嫌だったんだね」
- 「お母さんもそういう時があったよ」
- 「1人でガマンして頑張ってたんだね」
悩んでいる子どもの気持ちを肯定して、同じ立ち位置で「どうやったら悩みが解決するか」を考えてあげて下さい。
6.子どもの悩みを一緒に解決する
我が子が悩んでいるのは心配ですから、できればスパッと解決してあげたいものです。
でも、そうそう簡単にはいかないでしょう。
学校の人間関係が原因の場合は、親が介入することで話がこじれてしまうこともありますし、成績の不安の場合は、子ども自身が努力するしか方法が無いこともあります。
ですから、悩みの解決=子どもの望み通りの結果ではなく、同じ立場から「妥協案」を考えてあげるようにします。
クラスの中に合わない子がいる時は、「あと何カ月でクラス替えだから」と具体的な数字を出して励ましたり、状況によっては、担任に相談して配慮してもらうこともできます。
成績の悩みには、学習方法の見直しを提案してみたり、もう少し偏差値の低い志望校を一緒に選んでみるのも良いでしょう。
とにかく、親が子どもに寄り添って、同じ視点で考えてあげることが重要なのです。
7.スクールカウンセリングを利用することも
心の悩みをなかなか親に言い出せない子どももいます。
家庭の中では話しにくい子どものケースだと、スクールカウンセリングを受けさせることで、親には言えない悩みを口に出せることも。
スクールカウンセラーは公立学校に必ず在籍していますから、利用したい時は担任を通じて申し込みます。
本人から申し込まなくても、親から希望を出して子どもがスクールカウンセリングを受けることも少なくありません。遠慮せずに利用して下さい。
子供のカウンセリングと並行して、親も、別の時間でスクールカウンセリングを利用できます。
その時に、子供がカウンセリングで話している内容や、カウンセラーから見た子供の悩みの深刻度なども聞くことが出来ます。
共働きでなかなか親が学校に出向くことができない場合でも、もしもスクールカウンセリングの中で我が子に何か気になることがある場合には、カウンセラーの方から自宅に電話をくれることもあります。
カウンセリングといっても悩みを聞くだけではなく、さまざまな心理療法も考えてもらえますから、お子さんのことで心配な時は相談してみることをおすすめします。
子供の悩みは学校が発端になっていることがほとんどですから、学校と連携することで本人の不安の軽減にも繋がりますよ。
悩まない子どもはいない
子どもと言えども、大人と同じくらい色々なことで悩みを抱えているものです。
特に普段から繊細で傷付きやすい子どもだと、悩みがどんどん蓄積されて、身体に不調が出てしまうこともよくあります。
我が子が悩んでいるなと感じたら、ぜひ同じ立ち位置で一緒に悩み、少しでも心が軽くなる方法を考えてあげましょう。
思春期の子供の悩みは放置すると深刻化することも…
親御さんの中には、子供が少しくらい悩んでいても放っておけば大丈夫と思っている人もたくさんいます。
確かに、親がアレコレ心配して口出しするよりも、何も手出しせず子供に任せておいた方が良いこともあります。
しかし、13歳頃から始まる思春期の場合は、小さな悩みが深刻な事態に繋がりかねません。
特に悩みの原因が友人関係にあるなら注意が必要。放置せず、なるべく目を離さないように子供の気持ちに寄り添いましょう。
ここまでに紹介した子供の悩みの対処法を参考にしてもらいながら、思春期の場合はさらに気を付けて、子供からのSOSを見極めることも大切です。
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