中学校で出される給食について、「まずい」「食べたくない」と生徒から苦情が出ることはよくあります。
私の息子も中学生の頃は、毎日では無いですが時々「今日の給食まずかった〜」と、苦悶の表情を浮かべながらかえってくる日がありました。
中学校の給食に悩んでいる生徒さんは少なくありませんし、それを知った親御さんが心配していることもよくありますが、なかなか改善されないのが現状です。
こちらの記事では、中学校の給食はなぜ美味しくないのか、子供が「食べたくない」というほどまずい給食はどう対処すれば良いのかを詳しくまとめました。
PTA役員として給食について先生方と話し合ったことのある私の経験も踏まえながら解説しますので、ぜひ読んでみて下さい。
目次
中学校の給食がまずい理由
給食は小学校から始まるものですが、小学校の頃は美味しく食べられていたのにどうして中学校になった途端に給食がまずく感じるのか。
それにはいくつかの理由がありますので、まずは「中学校の給食がまずい理由」を紹介します。
「中学校の給食は冷たくてまずい」
まず、味が悪い第一の原因として考えられるのは、給食が冷めていることです。
小学校の給食は校内の給食室で作られていることが多いです。ですから、温かいままの食べ物を子供達が口にすることができるのです。
一方で、ほとんどの中学校には給食室がなく、学校外の委託業者からデリバリー方式で給食が運ばれます。
地域により違いはありますが、市区町内にある複数の中学校の給食を給食センターでまとめて用意して、1校ずつ配送が行われています。
そうすると、出来上がってから食べるまでに時間がかかりますから、どうしても食べ物は冷めますよね。
また、衛生面を考えて、一旦冷蔵庫で冷やしたおかずが運ばれることもよくあります。
冷たい食事は大人でも「美味しくない」と感じますよね。
特に冬場の気温が低い時期だと、おかずやご飯、汁物は冷たくなったり、炒め物は油がかたまってベタついたりして、味が落ちてしまうのです。
これはデリバリー方式である以上は仕方ありませんし、少子化が進む中でこれから中学校内に給食室を作るというのも現実的ではない為、どうすることもできない問題ではあります。
「中学校の給食は献立が適当でまずい」
中学生の子供が給食の愚痴でよく言っているのが、給食の献立が適当すぎる、ということです。
おかずがきつねうどんで主食がパンだったり、1つめのおかずがシチューで2つめのおかずがドライカレーだったり、親が見ても首を傾げたくなるような献立がよくあります。
決められたカロリーと栄養成分を充たしていれば何でも良いと言わんばかりの献立内容に、食べる側の中学生としては「いい加減にしてくれ」と言いたくなってしまうのです。
「中学校の給食は味付けがまずい!」
そもそも味付け自体がヘタクソでまずいという意見も多数あります。
味付けは人それぞれの好みですが、それでも「これはどうなの?」とみんなが思うくらい味が薄かったり、逆に濃かったり、とても完食はできないと感じるほどにまずい味付けもあるようです。
中学校の給食の味付けのまずさについては度々問題になっていて、さまざまなメディアが取り上げていますが、給食の担当業者には響かないという残念な現実があります。
「早く(給食が)なくなってほしいです。人間の食べ物じゃないです」と、中1の男子生徒は切実な表情で訴え、
「味がうすい、ないんですよ。まずいから全然食べられない。お腹はすいて授業に集中できないし、部活もあるから本当につらいんです。みんな、お腹すいたって言っています」と、中2の女子生徒はひもじい学校生活を力なく吐露する。
中学校の給食は異物混入が怖い
中学校の給食は味のまずさも問題ですが、それよりも深刻な問題が異物混入です。
給食の中に髪の毛やプラスチック片、ビニールの切れ端や針金など、色々な異物が混入していたというニュースは連日報道されています。
小学校の給食でも異物混入は時々ありますが、中学校の方が圧倒的に多いです。
その理由はやはり、学校内の給食室で調理されていないため管理が不十分だということが言えるでしょう。
学校や教育委員会の目の届かない所で調理される給食は、業者自身がしっかりと管理してくれれば良いですが、中にはいい加減な業者もいますよね。
また、意図的に給食に異物を混入する従業員もいないとは言いきれないです。
そう考えると中学校の給食は、味と安全性の2つの項目で大きな問題を抱えているように感じます。
給食がまずくて食べられない時の対策はある?
中学生から「人間の食べ物じゃない」と言われるほど、味がまずい給食。いくらお腹が空いていても食べられないほどだと、どう対策すれば良いのか悩んでしまいますよね。
中学校の給食に問題がある場合は、学校に言ってもなかなか改善させることは出来ません。
その理由は、先ほども書いたようにデリバリー方式の給食は数校の分をまとめて作っていて、その中にある一校の個人の意見を反映させることは難しいからです。
給食のクレームは教育委員会や市区町へ
中学校の給食を担当する業者を決めているのは教育員会や市区町の担当者です。
ですから学校に文句を言っても始まらないので、本当に困っている時は教育委員会や市区町の学校教育課に申し入れをしましょう。
ただ、数名の生徒の意見だけでは取り合ってもらえないことがほとんどです。
出来るだけ多くの賛同者を集めて、どういった点が問題なのか、生徒にどのような悪影響が出ているのかを具体的に説明することが大切です。
市長への手紙で給食が美味しくなったことも
大阪府寝屋川市では、それまで食べ残しが多く不評だった中学校の給食を美味しくしようと、2019年に新たな取り組みを始めました。
4400万円かけて給食を温かいまま運べる保温容器を購入したり、メニューを改善したり、中学生が美味しく給食を食べられるような対策を立てたのです。
きっかけになったのは生徒からの手紙でした。そこには、給食がまずいから残してしまうこと、お腹が空いて部活動に支障が出ていることが書かれていました。
その手紙を読んだ広瀬慶輔市長が自ら立ち上がり、中学校の給食は改善されたということです。
広瀬市長は「多くを食べ残していたら、きちんと栄養価が計算された献立も意味がない。まず育ち盛りの子どもがしっかり食べられるようにしたい」と話す。
食べ残しが続く時は対応策を考えて
寝屋川市のように、市長が積極的に給食の改善に動いてくれる自治体は少ないかもしれませんが、何もせずに子供が我慢を続けるのも良くないですよね。
成長期に充分な栄養を摂らずにハードな部活動を続けていると、貧血などでふらついて思わぬ事故に繋がってしまうリスクもあります。
子供がどうしても給食が口に合わずに食べ残しが続いている時は、周囲とも相談しながら対応策を考えてみて下さい。
他の生徒が平気で食べているなら、我が子の味覚に合わないだけかもしれませんので、担任と相談しておにぎりやパンを補食として持たせることを許可してもらったり、みんなが「まずい」と言っているなら、教育委員会や市区町に申し入れをしてみてください。
実際に生徒と保護者からの苦情が殺到して給食業者が変更になった事例もあります。
あまりにも味に問題があったり異物混入があるようなら、業者に問題がある可能性も考えて、相談をしてみることをおすすめします。
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