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母子家庭(父子家庭)でもらえるお金と優遇制度まとめ|ひとり親への経済的支援

母子家庭や父子家庭の「ひとり親世帯」で子供を育てていると、常に子育てでかかるお金に頭を悩ませなくてはいけませんよね。

私もシングルマザーで二人の子供を育てていますが、子供の教育にかかる費用はもちろん、毎日の食費や衣服費、交際費なども大きな負担になっています。

一緒に暮らしていない父親や母親が子供の為に養育費を払ってくれれば良いですが、全く払う気がなかったり、最初だけ振り込んでいたけれど徐々に遅れるようになって数年後には音沙汰がなくなった…というケースはすごく多いです。

私も元夫から養育費は受け取っていません。こちらから弁護士を立てて請求すれば払ってくれるのかも知れませんが、「もう関わりたくない」「払う気がないのに嫌々振り込まれるのは子供が可哀相」という気持ちで放置しています。

全国母子世帯等調査によると、年々増えている母子家庭で養育費を受け取っている家庭の割合は、なんと2割しかないのです。

残り8割のひとり親は、たった1人で仕事と家事と育児を背負い、家計の負担まで重くのしかかっている状態です

「生活が苦しい」と感じることは頻繁にあるのではないでしょうか。

子供の為にも充分な収入が欲しいですが、1人で子供を見ながら仕事量を増やすことは難しく、長期間にわたって苦しい生活を続けなくてはいけないのが現実ですね。

そんな時に役立つのは母子家庭・父子家庭が受け取れるお金や優遇制度です。

一人親家庭の生活は確かに苦しいですが、こうした制度をフル活用することで、お金の不安を少しでも軽く出来ます。

まずはこちらをチェックして、まだ申請していないものがあるか確認してみてください。

児童扶養手当

母子家庭父子家庭でもらえるお金と言えば、絶対におさえておきたいのが児童扶養手当です。

以前は母子家庭にしか支払われなかった児童扶養手当も平成22年8月からは父子家庭も受け取れるようになり、一人親家庭の家計を支える役割を担っています。

児童扶養手当をもらっていれば子供が小中学生の期間は「就学援助費」も受給出来るので(申請が必要)、生活はかなりラクになるはずです。

就学援助費の申請方法はこちらの記事で確認して下さい。

『就学援助費』申請理由の書き方と支給対象の条件|家計が苦しい時に利用する制度

児童扶養手当でもらえる金額

児童扶養手当には「全部支給」「一部支給」の2種類が有り、親の収入によってもらえる金額が違います。

また、子供が二人以上いる時には、第一子、第二子、第三子…と、支給金額が減っていくことになります。

子供の人数に合わせた児童扶養手当の全部支給と一部支給の金額を表にしました。

子供 全部支給 一部支給
第一子 42,910円 42,910円~10,120円
第二子 10,140円 10,130円~5,070円
第三子以降 6,080円 6070円~3,040円

児童扶養手当の所得制限額

児童扶養手当をもらいたい時の所得制限額、全部支給と一部支給の額を表にしました。

母子家庭父子家庭でも、下記の金額よりも所得が多い時には児童扶養手当は受け取れないことになります。

扶養する子供の人数 全部支給 一部支給
0人 490,000円 1,920,000円
1人 870,000円 2,300,000円
2人 1,250,000円 2,680,000円
3人 1,630,000円 3,060,000円
4人 2,010,000円 3,440,000円

所得は前年度の金額になりますので、「まだ離婚をして間がなく前年度は子供を夫(妻)が扶養していた」という場合は、子供の数「0人」の欄を見て下さい。

児童扶養手当の申請方法

児童扶養手当は市区町村の子育て担当窓口に「児童扶養手当認定請求書」を提出します。

「児童扶養手当認定請求書」は窓口でもらえます。下記のサイトからダウンロードもできますので、忙しい人は利用してみて下さい。

児童扶養手当はいつ振り込まれる?

児童扶養手当は請求書を提出した翌月からの分が、審査で認定された後に振り込まれます。

児童扶養手当の振込月

  • 12月から3月分→4月
  • 4月から7月分→8月
  • 8月から11月分→12月

年に3回、4ヶ月分ずつ後払いで支給されます。

申請が認定されたかどうかは審査されたあとに通知が届きます。審査期間は数週間から2〜3ヶ月となっていて少し期間がかかりますから、できるだけ早目に申請しておいて下さいね。

生活保護

児童扶養手当は仕事をしているシングルマザー・シングルファーザーがもらえるお金ですが、仕事ができない時には生活保護を受給することができます。

私の知人は2人目のお子さんを妊娠中に離婚することになり、妊娠出産で働けない期間、1年くらい生活保護をもらっていました。

生活保護は受給条件が年々厳しくなり、細かい調査もされるので面倒に感じる人も多いですが、ひとり親が限られた時間で働く給料より多くの金額が受給出来ることも珍しくないです。

さまざまな事情で働けない期間があるひとり親の方は、生活保護の申請を検討してみてください。

母子(父子)加算で受給額も高くなる

母子家庭(父子家庭)の世帯には、通常の生活保護に母子(父子)加算が上乗せされて、受給額は高くなります。

子供がいると何かとお金がかかるので、仕事ができない期間を支えてもらえるのは嬉しいですよね。

生活保護は市区町役場の生活保護担当窓口で申請・相談ができます。

母子家庭父子家庭の医療費助成

母子家庭父子家庭の親と子供は、母子家庭等の医療費助成で窓口で支払う医療費が安くなります。

中学3年生までの子供であれば医療費が無料になる自治体は多いですが、この母子家庭等の医療費助成制度であれば中学3年生以降の子供や親も対象になります。

母子家庭のお母さんがお金の心配で病院に行きにくかったり、手術の必要があると医師に言われても、貯金が無くて先延ばしにしてしまうケースもよくあるので、無理をせず医療費助成を受けるようにしてください。

助成される金額や所得制限などは住んでいる地域で違いがあります。まずは役所の子育て支援窓口で相談してみてくださいね。

住民税・所得税の寡婦(寡夫)控除

ひとり親のお父さんお母さんは、寡婦(寡夫)になるため、所得税や住民税が普通よりも安くなります。

寡婦控除・寡夫控除の条件は配偶者と離婚や死別のあと再婚せず、1人で子供を扶養していること。合計の年収が500万円以内であることです。

控除される金額は下記の表の通りです。

  所得税 住民税
特定の寡婦(母親) 35万円 30万円
寡夫(父親) 27万円 26万円

*女性の場合、離婚や死別後に再婚していない人を「寡婦」、寡婦の中で子供を扶養している人を「特定の寡婦」と呼びます。

寡婦控除の申請は年末調整か確定申告で

毎年、年末になると職場から「扶養控除申告書」という書類を渡されて記入しますが、寡婦(寡夫)控除は扶養控除申告書の中に項目があります。

年末調整は会社に任せきりで言われたままに書くだけという人も多いですが、特別な控除が受けられるので、忘れないように記入して下さいね。

うっかりして扶養控除申告書に書き忘れた場合は、年明けの確定申告でも申請ができます。最寄りの税務署に相談してみてくださいね。

非課税貯蓄制度(マル優)

母子家庭を対象に、預貯金の利子を非課税にする非課税貯蓄制度があります。

これを利用すれば利子に課税されないので、普通よりも利子が高い定期預金でお金を増やしやすくなるのです。

ただ、全ての地域の金融機関で実施しているわけではなく、母子家庭の非課税貯蓄制度を行っていない地域もあります。

申請は金融機関に行うので、ご自身が利用する金融機関の非課税貯蓄で母子家庭も対象になっているかを、まずは確認してみて下さい。

預貯金の利子にかかる税金10%が免除される

日本はかなりの低金利で銀行でつく利子なんて雀の涙ほどですから、自分の預貯金の利子が課税されていることを知らない人もいるかも知れません。

でも、金融機関にお金を預けた時の預貯金の利子には20%も税金がかかっているんです。(所得税15%、住民税5%)

ですからまとまったお金を定期預金で預ける時には、利子を非課税にしてもらうだけでも、残るお金が違ってくるわけです。

非課税貯蓄制度の上限は350万円まで、窓口は金融機関になっています。

福祉定期預金

福祉定期預金は児童扶養手当や遺族年金、特別児童扶養手当を受け取っている人を対象にした定期預金です。

一般の定期預金にプラスして金利が上乗せされるので、子供の教育費などでお金を一定期間預けておきたい時には貯まりやすくなってお得です。

ゆうちょ銀行やろうきんなどが実施していますから、利用したい時には窓口で相談を。

ただ、注意点として、最近はネット銀行でお得な定期預金がたくさん出ていて、中には福祉定期預金よりも金利が高くなるものもあります。

それぞれの定期預金の金利と条件、預け入れ可能額、預け入れ期間を考慮した上で、福祉定期預金が本当に自分にとってお得になるかを確認してから契約してくださいね。

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は、20歳未満の子供を1人で育てるお父さんやお母さんがお金に困った時に、有利な条件で国からお金を借りられる制度です。

利率が保証人ありの場合は無利子、保証人なしの場合は年1.0%とお得で、子供の学費や生活費、あらたに事業を始める為の資金や、親の就職の為に資格取得をする時の資金などに使うことができます。

貸付金なのでいつかは返さなくてはいけませんが、どうしてもまとまったお金が必要という場合に利息の高いキャッシングや消費者金融などを利用せずにすみます。

母子家庭父子家庭への経済支援は積極的に利用しよう

今現在で利用出来る、ひとり親家庭の経済的支援をまとめてみました。

一人親家庭でもらえるお金や優遇制度は、自分から調べて申請しないと利用出来ないものも多いです。

少しでも損をしないように、積極的に利用するようにしてくださいね。