子供を育てるのは喜びも大きいですが、それ以上に大変なこともたくさんあるものです。
「子育てに疲れた」「子供といるのがしんどい」などと、親なら1度は感じるものですが、それでも、みんなが我が子を虐待しているわけではありません。
同じように育児で大変な思いをしているのに、どうして親によって虐待するかしないかの差が出るのでしょうか?
それは、親に虐待傾向があるかどうかの違いにあるのです。
こちらの記事では、子供を虐待する親の特徴をまとめました。
「悲惨な虐待事件はなぜ繰り返されるのか?」
原因を知ることで、虐待の根本的な問題点が明るみになり、虐待防止にも繋がりますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
子供を虐待する親の7つの特徴
1.生活が困窮していて貧しい
虐待事件で逮捕された親の周辺状況を見ると、生活が困窮している家庭の割合が大きい事に気付かされます。
もちろん例外もありますが、第三者から見て「貧しい暮らしをしているな」と感じられる家庭が多く、「お金が無くて生活に余裕がない」ということが、育児ストレスに拍車をかけていると考えられます。
困窮している子育て世帯に対しては行政から様々な支援がありますが、自分から調べたり申請をしたりせずに放置している家庭も多いです。
助けを求めるべき状況でもその手段が分からず、具体的な対処法を考えることが苦手というのが、虐待する親に共通する傾向です。
2.離婚経験があり連れ子がいる
どちらかの親が子供を連れて離婚をしたあと、その連れ子を交際相手や新しい夫(妻)と一緒に虐待するケースはとても多いです。
特に多いのは、母親と子供で暮らしている一人親家庭に、母親の交際相手が同居してきて、子供への虐待が始まるパターンです。
新しい夫(妻)からみると連れ子は他人のため、母親(父親)に頼る姿に嫉妬をしたり、新しい2人の子供が生まれると連れ子を疎ましがったりして、家庭内の攻撃対象にするのです。
なぜ連れ子が虐待されやすいのかといえば、家庭内に自分達よりも下の存在を作って優劣をつけることで満足感を得たり、色々なストレスのはけ口に使いたいという大人達の身勝手な考えがあります。
3.「しつけには暴力が必要だ」と思い込んでいる
虐待する親の多くは、「子供をきちんとしつけるためには、時には暴力や暴言も必要である」と思い込んでいます。
口で叱っても言う事を聞かないなら、少々痛い目にあわせてでも親の言う事をきかせるべき。「なぜみんな叩いてでも子供に言う事を聞かさないの?」と、不満を口にする人さえいます。
確かに、親には民法で規定された「懲戒権」がありますが、それは「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利がある」という意味ですから、『子供に虐待をしても良い』という権利では全くないのです。
懲戒権を都合の良いように勝手に解釈して、自分を正当化してしまう自分本位な性格が、子供への虐待に結びついているとも考えられます。
4.人付き合いが苦手
虐待する親は、家の外で他人と上手に付き合うことが苦手です。
自分の内面を知られることを嫌うため、極端に人を避けたり、あるいは、別の人格を演じて社交的に振る舞うこともあります。
そのため、近所の人や職場の同僚からは「おとなしい人」「人当たりの良い優しい人」という感じで、虐待とは正反対のイメージを持たれている事も少なくありません。
ただ、虐待が深刻化するほどに周囲から距離をおくようになり、子供が外で誰かと関わることも嫌うようになります。
虐待している子供のことを気付かれないために、世間から距離を置いている親も多く、それがまた子供の命に関わるような深刻なケースに繋がることがあります。
5.被害者意識を持っている
子供への虐待行為をやめない親の多くは被害者意識を持っています。
自分に起きた悪い出来事に対しては「どうして自分が」「私は悪くないのに」と相手に腹を立てることはありますが、自分自身の過ちに気付いたり、反省をすることはありません。
自分の現在の境遇は自らが招いたにもかかわらず、常に被害者意識を持って、「自分は悪くない」と感じている人も多いです。
そのため誰に対しても敵意を抱きやすいですが、先述したように他人に自分の内面をさらすことがとても苦手ですから、どうしても怒りの捌け口が無抵抗な子供や配偶者に向きがちになるのです。
6.何でも言い合える友達がいない
虐待する親のほとんどは何でも言い合えるような友達がいません。相談相手がいないからこそ、虐待をしてしまうのです。
先ほども書きましたが、基本的に人付き合いが苦手という性格の人が多いですから、もともと友達を作りにくいです。
そして、コミュニケーションが苦手な人ほど、何か伝えたい時に激しい行動をとりがちです。
それが子供に向かった時、ひどい暴力やきつい言葉になってしまい、小さな子供には耐えられないほどの大きな傷を与えてしまうこともあるのです。
7.自分も虐待を受けた経験がある
子供の頃に虐待を受けた親が、さらに我が子に対して虐待を繰り返すこともあります。
自分が苦しんだ経験を子供に押しつけるのは矛盾していますが、精神的なトラウマが影響して虐待をしてしまうこともあるのです。
幼少期に親から暴力を振るわれたり言葉で傷つけられて育つと、心の傷は大人になっても癒えることはありません。
虐待の連鎖を断ち切るためには、虐待をしそうになった時に自ら行動を起こし、カウンセリングを受けたり精神科医を受診することが大切です。
我が子への暴力を楽しむ親が増えている
ここまでは、子供を虐待する親に多い特徴を紹介しましたが、この7つ以外で最近増えているのが、「虐待行為、子供に対する暴力そのものを楽しむ親」です。
普通ではとても理解出来ないことですが、我が子に暴力をふるう親の中には、その暴力行為と、その結果によって我が子が追いつめられる様子を見て、興奮をしたり面白がったりする人も一定数存在します。
親であれば我が子が追いつめられる姿なんて見たくないものですが、反社会性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害がある人の一部には、そうした我が子への暴力行為を楽しく感じてしまう人がいるのです。
これは、子供同士のいじめにも同じことが言えますが、加害者の側が被害者の痛がる様子や苦しむ様子を見たくて、自分が楽しむ為にいじめや虐待をしてしまうことが実際にあります。
パーソナリティ障害が原因となって子供を虐待してしまう場合には、本人ないしは周囲の人がその暴力行為の異常性を認識して、自治体や保健センターの子育て相談窓口に連絡をしてみてください。
本人ではなかなか気付かないことがほとんどなので、親や配偶者がしっかりと対応することで大切な子供の命を守りましょう。
虐待をする親は「しつけが苦手な親」である
子供を虐待する親というのは通常の人付き合いであっても難しい人が多いです。
つまり、人とうまくコミュニケーションがとれない、人の気持ちを慮ることができない、そういう人が子供への虐待行為をする傾向があるのです。
もちろん例外もありますが、子供への虐待で逮捕されている親のほとんどにはそうした特徴があることが分かると思います。
言葉でうまく説明できない、上手に育児ができない、そう感じた時に手を出してしまう親もいるでしょう。
それを「しつけ」だと主張する親もいますが、言葉で伝わらないから手を出すなんて、あまりにも幼稚ですよね。
子供に良いことと悪いことの分別を教えてしつけをするためには、自分自身が分別のついた大人でなくてはいけません。
いつまでたっても精神年齢が幼く、大人になりきれない人が親になった時、虐待が始まってしまうのではないでしょうか。
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