今回は未就学児のお子さん達が通う幼稚園・保育園・認定子ども園についてです。
幼稚園や保育園は子どもが一番最初に飛び込む集団生活ですから、信頼できる園を慎重に選ぶ親御さんは多いですよね。
実際に選定を始めた親御さんからは、「保育園と幼稚園、認定こども園の違いが分かりにくい…」という意見がよく聞かれます。
保育園は主に共働きの家庭のお子さんが入園することが多いですが、最近は幼稚園でも働いているお母さんは大勢います。
それに、認定こども園に関しては、どういう子どもが対象になるのか、よく分からないから申し込みにくいと感じている親御さんもいるようです。
幼稚園と保育園、認定こども園って、いったいどう違うのか…?
それぞれの違いについて詳しく比較してまとめました。
幼稚園・保育園・認定こども園はどこが違う?
似ているようで全然違う保育園と幼稚園。そして、認定こども園。
まずは、それぞれの特長を紹介します。
幼稚園の特長
幼稚園は小学校に入る前の未就学児が通う教育機関です。
基本的には3歳から6歳までの子どもが通いますが、公立幼稚園の場合、地域によって2年保育と3年保育にばらつきがあります。
先生は幼稚園教諭免許を持っていて、子どもの発達を促すための集団生活が、学校教育法に則って行なわれています。
教育内容については、公立の場合は規律や協調性を養うことを意識した内容になっており、小学校と連携した行事も多くあります。
少子化の影響もあって、運動会や音楽会を幼稚園と小学校が合同で開催する地域が増えてきました。
私立幼稚園の場合はそれぞれに特色があり、教育内容は園によってさまざまです。
宗教法人が運営している私立幼稚園では、教会でお祈りの時間があったり、年長児向けに滝行があったりと、公立幼稚園では出来ないことを体験できる園がたくさんありますね。
保育の時間は大体9時から14時頃ですが、私立幼稚園だと延長保育で17時頃まで預かってくれる場合もあります。
- 幼稚園は未就学の子どもが教育を受ける施設
- 先生は幼稚園教諭免許を持っている
- 公立と私立で教育内容に大きな違いがある
- 基本的な保育時間は午前9時から午後2時頃まで
保育園の特長
保育園は、仕事や介護などの事情があって子どもの世話が出来ない保護者のかわりに、子どもを預かって保育する施設です。
保育園の先生は「保育士免許」を持っていて、年少児にとってはお母さん的な役割で優しく接してくれるので、保護者も安心感があります。
0歳から小学生までの子どもが入園し、保育時間は親の都合によって早朝から深夜まで預かってくれる保育園もあります。
午後にお昼寝の時間が設けられていますが、年長児のクラスではお昼寝させない保育園もあります。
1日の過ごし方は園によってかなり差があり、認可か無認可かでも、保育内容の違いは大きいと言われています。
基本的には親が仕事などで保育できない家庭が利用しますが、保護者の育児負担軽減のための「一時保育」だと専業主婦でも預かってもらえることがあります。
ただ、一時保育は月に何回まで、週に何回までという感じで市町村によって回数に制限が設けられています。
- 保育園は家庭での保育が難しい子どもを預かる施設
- 先生は保育士免許を持っている
- 保育時間が幼稚園より長く、深夜や早朝も預かってくれる園がある
- お昼寝の時間がある
- 料金が幼稚園より高い
- 認可保育園と無認可保育園がある
認定こども園の特長
認定こども園とは、保育園と幼稚園の特長を併せ持ち、都道府県から認定されている施設のことです。
未就学の子どもに幼児教育を施す機能と、親のかわりに保育を提供する機能。その2つに、地域の子育て支援の機能をプラスした施設というのが、認定こども園なのです。
認定こども園の先生は幼稚園教諭と保育士資格を併せ持った「保育教諭」になりますが、3歳未満のクラスにおいては保育士資格のみの先生が担当することもあります。
認定こども園は幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地域裁量型に分かれおり、幼稚園型以外の入園の申請は、通常の保育園と同じように市町村に申し込むことになります。
- 認定こども園は保育園と幼稚園の機能を持った施設
- 教育内容は「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」によって実施される
- 先生は幼稚園教諭と保育士の資格を併せ持っている
- 幼稚園型以外の申し込みは市町村を通す必要がある
認定子ども園は、園によって教育内容や1日の過ごし方が違います。
詳しくはこちらの内閣府のサイトも参考にしてみて下さいね。
教育の充実度は園によってさまざま
どちらかというと幼稚園の方が、保育園より教育がしっかりしてそうと思っている親御さんも多いです。
でも、保育園の中には英語教育やダンス、スイミングなど、特別な教育に力を入れている園も多くあります。
幼稚園よりも長い時間を過ごすだけに、園の中で出来ることの幅も広くなり、親御さんの知らない間にさまざまなことを身につけていたということもあるでしょう。
赤ちゃんの頃から保育園に通っている園児だと、トイレトレーニングや離乳なども園と連携しながら進められるので、保育園に通っていない子供よりもスムーズに完了して助かったと感じているパパやママもたくさんいます。
幼稚園の方は、小学校入学に向けて「自分の事は自分でする」ということや、「読む・書く・聞く」といった基本的な学習方法を身に付ける事が出来ます。
小学校に入ってから先生に度々叱られたり、授業についていけなくならないように、準備期間としての時間の使い方ができるのが幼稚園だと言えるのです。
こうして特徴をまとめてみると、幼稚園と保育園、どちらの教育方針も子どもにとってはメリットの大きいものですね。
あとはやはりお父さんお母さんの家庭での生活リズムや、集団生活でどんなことを身につけて欲しいかという希望を考慮して選ぶことが一番良いのではないでしょうか。
幼稚園・保育園・認定こども園にかかる費用
保育園の月額保育料は認可か無認可かで、かなり違いがあります。
認可保育園の場合は収入に応じて支払額が算出されるため、平均では2~3万円程度になっています。
ただ、無認可保育園の場合は認可より高く設定されることがほとんどで、中には認可保育園の倍以上の金額がかかることもあるようです。
「せっかく働いても保育料でパート代が無くなってしまう」というお母さんもいますし、費用面に関しては認可・無認可では大きな違いがありますね。
一方幼稚園の方は、文部科学省が調べた平均額のデータがあります。
- 公立幼稚園 年間149.544円(1ヶ月12.462円)
- 私立幼稚園 年間367.355円(1ヶ月30.613円)
これを見ると、やはり公立の方が何かとお得な気がしますね。
子どもの集団生活に向いている園は?
幼稚園、保育園、認定こども園と、それぞれの特長を説明しましたが、選ぶ時に大切なのは、やはり教育方針やカリキュラムだと思います。
運動が苦手な子どもを体育会系の幼稚園に入れても続かないように、お子さんの個性や家庭の事情に合わせた園を選ぶのが一番でしょう。
そのためには、園の見学や体験には積極的に参加するようにして、プレ幼稚園などの未就園児向けのクラスがあるようなら、申し込んでみるのもおすすめです。
親子クラスから始めると子どもの不安感も少なくなりますし、園になじみやすいというメリットもあります。
私自身も子供の幼稚園を選ぶ時には未就園児クラスに親子で月2回通い、我が子に合っているかどうかを見極める参考にしました。
未就園児クラスに入ると園の色々な行事に参加できたり、人気の幼稚園だと優先的に入園させてもらえる事もあります。
また、未就園児クラスに入らなくても、認定こども園や幼稚園では個別の育児相談や、手遊び会・おはなし会を開催している園もあります。
そうした機会に園の雰囲気や先生方の子供への接し方を見させてもらうだけでも、園選びの参考になりますよ。
お子さんがある程度大きくなったら、地域の幼稚園・保育園・認定子ども園のイベントに参加してみる事をおすすめします。
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