春の進級の時期になると、クラス替えのことが心配になるお子さんや親御さんがとても多くなります。
すでに学校生活に疲れやストレスを感じているお子さんだと、春のクラス替えが不登校のきっかけになる場合もあり、親子ともにクラス替えへの不安が大きくなってしまうのは仕方のないこと。
こちらの記事では、「子供のクラス替えが心配…」と感じている親がやるべきこと、出来ることをまとめています。
クラスのメンバーや担任によって、その一年間が楽しいものになるか、つらいものになるか決定してしまうと言っても過言ではありません。
少しでも不安のある親御さんは、ぜひ参考にしてみて下さいね。
目次
子供のクラス替えが心配!どうすればいいの?
「子供のクラス替えが心配、どんな子供と一緒のクラスになるのか、すごく不安になる…。」
そう感じているお父さんお母さんはとても多いです。
なぜなら、クラスのメンバーによって子供が学校を楽しめるかどうかが大きく変わってくるからですね。
仲良しの子や気の合う子がクラスにいれば、1年間はとても楽しいものになるでしょう。
しかし一方で、親しい子が1人もいなくて孤立してしまう場合や、以前いじめられた子供がクラスにいる場合は、お子さん自身が新年度から暗い気持ちになることもよくあります。
学校のクラス(学級)というのは、子供にとっては世界の中心に感じられることも。
その世界の中心が居心地の悪い場所であったなら、本当につらく悲しい気持ちになりますよね。
ですから、子供にとっても親にとっても、春のクラス替えというのは大きな心配の種になるものなのです。
クラス替えが原因で一人ぼっちになることも
前の学年までは何の問題も無く楽しく学校生活を送っていた子供が、クラス替えをきっかけにして孤立してしまい、ひとりぼっちを経験することは少なくありません。
特に小学校中学年以降になるとクラスの中にもいくつかの友達グループができるようになり、「グループに属さない子とは遊ばない」という暗黙のルールがあることも。
新しいクラスで仲良しの子供が1人もいない…となった途端、誰とも話せなくなってしまい、孤立感を深めてしまう子供も意外と多いのです。
コミュニケーションが苦手な子供はクラス替えで孤立しやすい
自分からは友達に話しかけられない、目立つのが嫌い、自分の気持ちを人に伝えられない。
こうした特徴のある「コミュニケーションが苦手な子供」は、クラス替えで孤立しやすい傾向があります。
運良く仲良しの子と一緒のクラスになれれば良いですが、離れてしまった場合、新たに友達関係を構築することが出来ずに孤立してしまい、一人ぼっちの寂しさで落ち込むこともあるでしょう。
たわいないおしゃべりをして、笑い合ったり、困った時には助け合える。そんな友達の存在がなくなると、途端に学校生活が苦痛に感じる子供は少なくありません。
一人ぼっちの日々が続くと、次第に子供の中の「頑張ろう」という気持ちが息切れを起こして、お父さんお母さんに「学校に行きたくない」という意思を伝えることも多くなります。
子供をクラス替えで一人ぼっちにしない方法
クラス替えがきっかけで、学校がつらくなったり、時には「行きたくない」と感じてしまう子供は少なくありません。
親としては心配ですが、どうすれば良いのか分からない…と、悩んでしまうこともありますよね。
そのような時、どうすれば良いのか。答えは一つです。
担任の先生に「子供がクラス替えで孤立しないか不安に感じている」と言いましょう。
そして、具体的に「クラス替えでこういう風に配慮していただけたら、安心して学校に通わせることが出来ます」と伝えるのです。
そんなことして良いの?聞いてもらえるの?と感じる親御さんもいるかも知れません。でも、大丈夫です。
子供のクラス替えで、担任に要望を伝えている親御さんはかなり多いです。
担任の立場でも、クラス替えがきっかけで児童生徒が不登校になったり、学級で問題が起きてクレームを言われるよりは、はっきりと「こうして欲しい」と事前に伝えてくれた方が実は助かるのです。
もちろん、ただのワガママで「◯◯ちゃんと◯◯ちゃんは一緒のクラスが良い」「◯◯君は好きじゃないから別々にして欲しい」「乱暴な子やうるさい子とは一緒になりたくない」などの要望を言っても聞いてもらえません。
でも、正当な理由があり、それを担任に説明したうえでお願いすれば、よほどの問題が無い限りは叶えてもらえることがほとんどです。
クラス替えの要望が通りやすくなるケースとは?
特定の子供とは同じクラスになりたくない場合
- 以前いじめられていて加害児童生徒(グループ)に対して恐怖心がある
- いじめまではいかなくても、きつい言葉や態度で子供がストレスを感じている
- 仲は良いが、一緒にいることで悪ノリが行き過ぎて周囲に迷惑がかかることがある
- 母親同士でトラブルがあり、子供が嫌がらせを受ける心配がある
特定の子供と同じクラスにして欲しい場合
- コミュニケーションが苦手で孤立しやすいため、仲の良いグループの中で1人は一緒のクラスにしておいて欲しい
- 学校生活で不安感が高まっているので、子供が頼りにしている◯◯ちゃんとは同じクラスにして欲しい
子供のクラス替えの決め方とルール
公立小中学校のクラス替えでは、ほとんどの場合、前年度のクラス担任と学年担任が次年度のメンバーを決めます。
1年間クラスを担当して、それぞれの子供の性格や成績、友達関係などを知っている旧担任が、次の学年でクラスがうまく回るようにメンバーを決めていくわけです。
小中学校のクラス替えの決め方
クラス替えでは、必ず考慮しておくルールがあり、まずはその点をクリアにする必要があります。
- 学力のバランス
- 運動能力のバランス
- 住んでいる町別のバランス
- 各クラスにピアノが弾ける子供
- 乱暴・落ち着きの無い子供への指導体制
- 障害のある子供への配慮
- 友達関係に問題があるグループを離す
- 親同士にトラブルがある子供を離す
上記のようなことを考慮したうえで、特に問題の無い生徒児童の場合はランダムに公平に分けていくことになります。
ですから、親が何も要望を出さず、担任も特に問題意識が無かった場合は、適当に振り分けられてクラス替えが完了してしまうのです。
子供のクラス替えの要望の出し方
子供のクラス替えが心配で、新年度からの子供の学校生活が不安になっているなら、先ほども書いたようにとりあえず担任に相談してクラス替えの要望を出しましょう。
「先生は分かってくれているはず」と信じていても、言わなければ伝わりません。
親御さんが思っている以上に学級というのはさまざまな問題を抱えていますから、担任でも1人1人の児童生徒に配慮しきれないことがよくあるのです。
クラス替えが発表されてから「いじめっ子と同じクラスになってる…」「仲良しグループの中で、うちの子だけ1人で別のクラスにされた…」と落ち込んでも、取り返しはつきません。
心配なら、必ず事前に担任に時間を作ってもらい、クラス替えの要望をなるべく具体的に伝えましょう。
春休みまでには要望を伝えておく
クラス替えの要望は、前年度の春休みまでに担任に伝えましょう。
手順は連絡帳などで担任にアポイントを取り、直接会って話をします。
「特定の子供と同じクラスになりたくない」などの要望は、一歩間違えればトラブルに繋がる可能性もあります。
できるだけ他人に知られないように、担任と一対一で話した方が良いです。
「要望に応えられるか約束出来ない」と言われることも
担任によっては、「クラス替えの要望には答えられるか分からない、約束出来ない」と言われることもあります。
むしろ、「分かりました」という返事よりも「約束出来ない」と言われる方が多いくらいです。
しかし、よほども事情がなければ要望は通りますし、何も言わずに固唾をのんで待っているよりは効果があります。
学校側としても、保護者からの要望を無視した挙げ句にトラブルが起きれば、その責任は重大です。
ということで、基本的に「クラス替えの保護者からの要望は考慮すること」が暗黙のルールになっているのです。
クラス替えの要望が通らないケース
ただ、クラス替えの要望が通らないケースがあります。私の知人でも「お願いしていたのにダメだった」ということがありました。
クラス替えの要望を出したのに通らない。その理由は、複数の保護者から同じ要望がきていたからです。
「A君とは同じクラスにしないで欲しい」と私の知人は頼んだのですが、知人の他にも複数の保護者が同じことを頼んでいました。
知人によればA君はかなりの乱暴者で、同級生だけではなく先生にまで手を挙げるのです。
大声で授業を妨害することもあり、A君のクラスの保護者は、子供達が落ち着いて学習に取り組むことが出来ないことを悩んでいました。
しかも、その年の春から中学3年生になり、大切な受験が控えていたのです。
ですから複数の保護者が担任に同じ要望をだしたわけですね。
しかし知人のお子さんの通う学校は1学年に2クラスしかない小さな中学校。ですから、要望を出した全員を別のクラスにするということが不可能で、すでに手を出されたりからかわれたりしている子供を優先して別のクラスにしたのだそうです。
このような感じで、同じ要望が複数の保護者から出た場合には、要望が通らないケースもあるということは覚えておいて下さいね。
子供のクラス替えは親にとっても一大事
私自身の経験を振り返っても、子供達の学校のクラス替えの時は不安と期待で私までソワソワしたものです。
親としては、誰とでも仲良くできる逞しい子供になって欲しいですが、かといって、やはり学校生活で寂しい想いはさせたくない。
ということで、子供が楽しく学校に通う為にクラス替えに要望を出したくなるというのは当然のことでしょう。
学校生活に何の問題も支障もないなら、ワガママは控えるべきですが、不安感がある時には担任に相談することはとても大切です。
いつも学校での様子を見守っている担任だからこそ感じていることもあるかも知れませんし、親からの相談で始めて気付くこともあるかも知れません。
いずれにしても、こちらから伝えなければ何も変わらず安心もできませんから、気になっている人は担任との面談の機会を作ってみてはいかがでしょうか。
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