発達障害のグレーゾーンという言葉が、最近よく使われるようになりました。
親が「何かおかしいな?」と我が子に違和感は持ちながらも、診断まで至っていないケースや、園や学校のすすめで医療機関などを受診したものの、発達障害とは診断されず「発達障害の疑いがある」という言われ方で終わってしまった子どものことを、発達障害のグレーゾーンといいます。
発達障害のグレーゾーンだと言われているお子さんを持つ親御さんは、実際のところ我が子は発達障害なのかどうなのか…何をどうやってサポートしてあげれば良いのか…と、モヤモヤを抱えている人が少なくありません。
私も発達障害の子どもを持つ親として、同じようなモヤモヤした時期を過ごした経験があるので、そうした親御さんの気持ちはとてもよく分かるのです。
子どもが「発達障害の疑いがある」と言われたり、「グレーゾーン」だと言われてしまった。
そんな時に、親はそうすれば良いのか、発達障害を見極める方法はあるのか?
こちらの記事では、発達障害の見極め方を詳しく紹介しながら、どのように検査や診断を受けるべきかをまとめました。
発達障害のグレーゾーンとは?
集団生活で落ち着きの無い行動が目立ったり、極端に不器用で失敗が多かったり、コミュニケーションが苦手で1人でいる事が好きだったり…
このような行動を繰り返している子どもがいると、周囲は「あれ?なんだかおかしいぞ?」と感じる事があります。
でも、特に診断も受けていないし、生活に支障が出るレベルではないから、とりあえず様子をみている。
そのような状態の子どものことを「発達障害のグレーゾーン」という言い方をします。
少し前は「発達障害の疑い」と言われる事も多かったですが、最近になって発達障害の研究が進み、発達障害の特性というのは人によって強弱がバラバラであるということが詳しく分かるようになりました。
その強弱を色のグラデーションで表す事があるのですが、グレーゾーンの子どもはまさに、発達障害ではない真っ白な状態からはみ出て、少し特性が表にあらわれている状態。
表にすると、黒まではいかないけれど、グレーではある。と、考えられているのです。
我が子がグレーゾーンだったらどうすればいい?
発達障害と診断されていないけど、疑いがあると言われてしまった。
そんな時、お父さんお母さんは大きなショックを受けるかも知れません。
「いっそのこと、診断してくれた方がはっきりするのに…」と、宙ぶらりんの状態をストレスに感じる事もあると思います。
発達障害の診断を受けるべきかどうかは、さまざまな考え方がありますが、専門医に相談をして発達障害かどうかの結果が分からないかぎりは、お子さんの困り感や親御さんのモヤモヤはずっと続くことになります。
本人がそれほど苦労を感じていなくて、日常の心掛けで改善できる程度なら、様子をみておけば大丈夫。
しかし、目に見えて生活に支障が出ていたり、お子さん自身が悩んだり困ったりしている時には、家族だけで判断せずに専門医やカウンセラーなどに相談するようにしてください。
発達障害かどうかを見極めるポイント
グレーゾーンの子どもが本当に発達障害なのか、医療機関にかかったほうが良いのか、迷った時に確認して欲しいポイントは失敗をする回数と頻度です。
同じ失敗を何度も繰り返す
例えば、忘れっぽい人はメモを取ることでうっかりミスを防ぐことができますが、発達障害があると、そうした「自分なりの対応策」を思いつくことができないので、同じ失敗を何度も繰り返すことが多いです。
先生やお母さんに叱られて、「もう嫌だ」と思っているのに、また同じことをする。
周囲から見ると「あの子は何度言っても分からない!わがままな子!」と思われがちですが、そういう行動にこそサインがあらわれています。
本人がきちんと反省して、落ち込んでもいるのに、また同じ失敗をしてしまった。
そんな時は、その子に落ち度があるのではなく特性の影響だと考えてみてください。
逆に、失敗は多くても、その都度「じゃあ次はこうしよう」と考えて自立した行動ができるお子さんは、発達障害の心配はほぼ無いと考えて良いと思います。
冗談が理解できない
もうひとつ、子どもが発達障害かどうかを判断するポイントとなるのが、「冗談や物の例えが理解できない」という特長があるかどうかです。
例えば、みんなが笑っている時に1人だけ無表情でぽかんとしていたり、「悪い子はカミナリ様に叱られるよ」なんていう冗談を本気にして、「いつ来るの?」「カミナリ様はどこ?」などと真剣に聞いてきたり。
発達障害児は思い込みが激しく、言われたことをそのまま信じてしまうのです。
また、その一方で曖昧な表現や言葉を嫌がって、激しく怒りだしたりすることもあります。
困っている時は医療機関に
「発達障害かどうか、まだはっきりしないのに、この状態で医療機関に行っていいのか…」と、悩んでいる親御さんはたくさんいると思います。
医療機関にかかるのって勇気が必要ですし、「そこまで症状が出ているわけじゃないし…」と躊躇してしまうこともあるのではないでしょうか。
発達障害のグレーゾーンの子どもが医療機関で診断を受けるかどうかは、本人が困っているか困っていないかで判断してください。
もしも子どもが集団生活や家庭の中で困っていることが増えてきたり、失敗を繰り返すことで傷付いていたら、その時には迷わず医療機関に相談に行きましょう。
発達障害の検査は「発達外来」のある小児科や、心療内科、精神科などで受けることができます。
かかりつけの小児科がある時は、まずそちらで「発達検査を受けたい」と相談すると、検査が受けられる医療機関を紹介してくれるはずです。
市町村の保健センターでも紹介してくれますから、母子手帳などに記載されている窓口に電話してたずねてみるのも良いでしょう。
検査から診断までは数カ月かかり、予約が混み合っていると1年近く待たされることもあります。
小中学校の進学を控えている時には、前年の春くらいから行動を始めることで、入学してからのサポートが受けやすくなります。
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