元気を出したい時、頑張りたい時にチカラを付けるために飲むエナジードリンク。
以前は成人男性が飲むものと思われていましたが、最近では女性でも仕事中に飲んだり、受験生が勉強をはかどらせるために飲むケースも増えています。
エナジードリンクは適切な量を守って飲めば副作用は無いとされていますが、それでも、大人より身体が未熟な子供だと健康に害がでる可能性も指摘されているのです。
実際に、海外ではエナジードリンクを未成年に飲ませることを規制する動きが広がっていますし、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスなどの国では政府などの公的機関が注意を呼びかけています。
こちらの記事ではエナジードリンクを受験生が飲むデメリットと、多量摂取で起こる副作用についてまとめました。
目次
受験生がエナジードリンクを飲んではいけない理由
エナジードリンクには興奮作用、覚醒作用のあるカフェインが多量に含まれています。
そのため、飲めば頭がスッキリしてやる気が出てくるように感じますが、飲む量が多いと頭痛やめまい、下痢、吐き気などを引き起こしたり、中には血圧が上がって心拍数が上昇してしまうケースも。
実際に中学・高校の保健室にはエナジードリンクの影響で具合が悪くなった生徒が来ることが増えているのです。
エナージードリンクを子供が飲んだ時に起こりやすい副作用
- 頭痛
- 吐き気
- 腹痛
- 胸がドキドキする(心拍数の上昇)
- 気分がハイになり躁状態になる
- 夜に眠れなくなる(不眠)
- 虫歯(大量の糖分の影響)
- 倦怠感
これらは全て実際にエナージードリンクを飲み続けた受験生に出た症状です。
これ以外にも依存度が高まって1日2缶以上を飲み続けた女子高生の手足に発疹がでたり、海外では1日に4~5本のエナジードリンクを飲み続けた成人男性の舌が溶けてボロボロになったというニュースもあります。
アメリカでは「エナジードリンクは歯の表面にあるエナメル質を溶かしてしまう」という事が指摘されているので、もしかすると舌の組織にも悪影響があるのかも知れないですね。
受験生のエナジードリンク依存症が一番怖い
エナジードリンクを飲む事でのデメリットはさまざまありますが、怖いのは、一度はまるとなかなか飲むのをやめられない事です。
エナジードリンクを飲めば目が冴えて、夜中でも受験勉強ができる。
頭がスッキリするから普段より捗っているように感じる。
これを経験すると、次の日も次の日も…という感じでエナジードリンク依存症の状態になります。
そして、エナジードリンクを飲む事が習慣化していき、身体が慣れて効果が減ったように思えば追加でもう一本飲みたくなってしまうのです。
その状態になってから親御さんが「これはやめさせた方が良い」と感じても、本人はなかなかやめることができず、ストレスで余計に依存度が高まることも少なくないでしょう。
ご存知の方も多いと思いますが、『エナジードリンク依存症』といえば日本でも2015年にエナジードリンクの多量摂取によるカフェイン中毒で20代男性が死亡しています。
長時間しっかり勉強をする必要のある受験生にとってはエナジードリンクは一見味方のように思いますが、実は、依存症というマイナス面があるということを頭に入れておかなくてはいけません。
未成年はエナジードリンクを飲まない方が良い
エナジードリンク1缶に含まれるカフェインの量の平均はコーヒー約2杯分といわれていて、大人であれば、1缶飲んだだけで重篤な副作用を引き起こすことは少ないと考えられます。
ですから、上手に利用すれば仕事や学習に役立つ事ができるのです。
しかし、18歳未満の子供の場合は大人よりも副作用が強く出る可能性があり、健康リスクが高まる恐れが指摘されています。
砂糖の量もかなり多いですから、未成年のうちから糖尿病のリスクを高めてしまう可能性もあります。
また、その他にも心配な成分が含まれていることもあり、受験生が飲む事は極力控えた方が良いと言えるのではないでしょうか。
エナジードリンクについて懸念されているのは、それらがカフェインと砂糖を高濃度で含んでいるというだけでなく、添加物としてその他の刺激物も含んでいるということだ。最も多くの製品に使われているのは、いずれも天然の成分であるタウリンとガラナ。これらは単独で影響を及ぼす場合も、カフェインと同時に影響を及ぼす場合もある。
「例えば、タウリンはナトリウムチャネルに有害な作用を及ぼし、不整脈を引き起こす可能性がある。また、カフェインの作用を増強させる可能性がある。そのため以前から、エナジードリンクの影響はカフェインの影響と一般化して考えるべきではなく、全く新しいものとみなすべきだとの主張がなされてきた」
「エナジードリンクの健康リスク、特に若者に影響大の可能性|Forbes JAPAN」より
親は子供にエナジードリンクを飲ませないで
そもそも、エナジードリンクは大人がやる気のでない時や頑張りたい時に飲むためのもので、未成年に飲ませる必要はありません。
子供は大人のすることを真似したがるので、お父さんお母さんが目の前でエナジードリンクを飲んでいたら、「自分も飲みたい」「真似してみたい」と思うでしょう。
日本では、子供や妊婦はエナジードリンクの飲用を控えるようにと厚生労働省が呼びかけていますが、一方で、欲しいと思えば自販機やスーパーで簡単に手に入ります。
もしも子供が「飲んでみたいな」と思う機会があれば、何も知らずに親の見ていない所で飲んでしまう可能性も考えられるのです。
ですから、子供がエナジードリンクを口にしないようにするためには、親が目の前でエナジードリンクを飲まないようにする他、もしも欲しがっているのを見かけたら「これは子供には早いから飲んではいけないよ」と、きちんと説明するようにしましょう。
そして、もしも我が子が受験勉強が捗らずに困っていたとしても、そこでエナジードリンクを勧めるようなことは絶対にしないで下さい。
受験生親子はエナジードリンクの副作用とデメリットを理解しよう
受験を控えた中学生高校生だと、深夜まで勉強することもあり、なんとか元気を出したくなってエナジードリンクを親に内緒で飲んでいる場合もあります。
その場合、子供はエナジードリンクの副作用についてほとんど理解していないので、親や周囲の大人が教えてあげなくてはいけません。
今現在、「受験生の我が子にエナジードリンクなんて飲ませた事は無い」という親御さんでも安心は出来ません。
親の知らない所で子供が自分から買って飲むような事が無いように、早目に『エナジードリンクのデメリット』について伝えるようにしておいてください。
知らないうちに我が子がエナジードリンク依存症になっていた…なんていう事が無いように、この機会に受験勉強の進め方について親子で話し合う時間を作ってみる事をおすすめします。
https://www.kosodate-chiebukuro.com/entry/onigiri-syokuchudoku